[『月刊住職』 2021年7月号より転載]

中世の寺社焼き討ちと神仏冒涜 稙田誠著 戎光祥出版 9240円
寺院の焼き討ちや墓の破壊といった冒涜行為の実態を気鋭の中世宗教史研究者が究明。正当化の方便を分析することで当時の人々にとって神仏の影響力がいかに強かったかをあぶり出す。



近世日本の災害と宗教 朴炳道著 吉川弘文館 13200円
江戸時代に災害のトラウマが宗教によってどう克服されてきたかを考察。明暦の大火ののち開創した回向院の役割や、享保の飢饉の死者を慰霊した地蔵信仰などを災害記録から読み解く。



仏教モダニズムの遺産 杉本良男著 風響社 5500円
19世紀から現代までのスリランカの宗教事情を論述。今日まで民族紛争が絶えない背景として、改革仏教を創始した僧侶ダルマパーラの影響力を軸に、宗教に具わる暴力性を指摘する。



唯識・華厳・空海・西田 竹村牧男著 青土社 3080円
大乗仏教の唯識と華厳思想、空海が説いた密教、西田幾多郎の「個物の哲学」を順に解説。それらの中に、互いが関係し合って存在するという東洋哲学の伝統に一貫する叡智を読み取る。



親鸞 人間性の再発見 千葉乗隆著 清水書院 1980円
浄土真宗の開祖親鸞の生涯を追いながらその教えの特徴を真宗教学の大家がやさしく解説する。「人と歴史」シリーズの1973年初版本の新装復刊。



仏辞苑 松本慈恵・松本慈寛編著 国書刊行会 8580円
仏教用語を辞書風に解説した平成4年刊行の大久保慈泉著『仏教いわく・因縁・故事来歴辞典』を弟弟子の日蓮宗住職が全面改訂し、項目を2700に倍増。とりわけ隠語の収録は貴重だ。



お寺の日本地図 鵜飼秀徳著 文藝春秋 1100円
一都道府県につき一カ寺を選び、その歴史と現在の姿を紹介。古都の名刹に偏らないことで寺が地域社会で果たしてきた役割が浮かび上がる。著者はジャーナリストで浄土宗住職。新書判。



梵字集 朴筆書体による種子の世界 小峰智行著 里文出版 2970円
仏を表す種字363字を平筆による朴筆で大きく書き起こし解説を添える。検索は尊名と字音と字形から可能。掲載の梵字はコピー使用が許可済み。



いのちの荘厳 仏華 弓場洋子著 本願寺出版社 2200円
仏に供えるいけばなの花材や立て方を12カ月に分けてカラー写真で掲載。池坊華道教授で浄土真宗本願寺派住職が事前の下処理や禁花などを伝授する。



パーリ語文法 ショバ・ラニ・ダシュ著 法藏館 4400円
初心者から上級者まで幅広くパーリ語を学べる文法書。名詞の格変化や韻律など30講で用例には仏典を使い練習問題を付す。著者は大谷大学准教授。



日本人と神 佐藤弘夫著 講談社 990円
日本人のカミの認識は時代により変化してきた。自然現象への畏怖がやがて救済者やヒトガミになる変遷を、通説にとらわれず自在に語る。新書判。



宗教と日本人 岡本亮輔著 中央公論新社 902円
宗教を信仰・実践・所属の三要素に分解することで、葬式仏教は信仰なき実践、神社は信仰なき所属と定義。日本人は決して無宗教ではない。新書判。



仏教の源流 松岡正剛著 KADOKAWA 1694円
稀代の読書家による書評、「千夜千冊」文庫シリーズの仏教編。インド哲学、ブッダ、大乗仏典、中国仏教の名著を紹介。日本仏教は別途刊行予定。



死と向き合う言葉 呉智英・加藤博子著 KKベストセラーズ 1595円
評論家と文学者が対談形式で古今の思想家や小説家が考える死を解説。引用本は哲学の古典から現代の漫画まで幅広く、語り手の死生観もにじみ出る。



宗教と科学の接点 河合隼雄著 岩波書店 1210円
ユング心理学者が死やたましいについて考える。宗教と科学の対話にとって必要なのは「物語」でないかと著者は提言する。1986年刊行の文庫化。



完本 仏像のひみつ 山本勉著 朝日出版社 2090円
「仏像もやせたり太ったりする」などユニークな切り口で仏像鑑賞のポイントを教える画期的な入門書。既刊の正続二冊を合本して二章を加えた決定版。



やさしい仏像彫刻 鈴木謙太郎監修 メイツ出版 2640円
手のひらに収まるわらべ観音など初心者向けの木像七種の彫り方を仏師が伝授。彫刻刀の持ち方から仕上げのコツまでの手順をカラー写真で図解する。



伝承遊び大百科 現代アレンジで遊ぶ 昭和堂 3850円
かごめかごめ、缶蹴り、草笛、陣取りなど昔から楽しまれてきた254の遊びのやりかたをイラスト付きで紹介。子供のための催し物のヒントに。





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