[『月刊住職』 2020年8月号より転載]

蘭渓録 蘭渓道隆禅師著・彭丹訳 禅文化研究所 3000円
鎌倉時代に中国から渡来僧として南宋禅を日本にもたらし、後代の禅宗に大きな影響を与えた建長寺開山の蘭渓道隆。その事績や思想の手がかりとなる漢籍『蘭渓和尚語録』が現代語訳に。



日本思想史事典 日本思想史事典編集委員会編 丸善出版 22000円
日本人の人間観、宗教観、道徳観、秩序観、歴史観、自然観、芸術観はいかに構築されたか。日本思想史学会の編集協力のもと第一線の執筆陣による古代から近現代までを網羅した事典。



『無門関』の出世双六 ダヴァン・D著 平凡社 1000円
中国では重視されなかった『無門関』はなぜ、日本でこれほどに著名な禅籍と知られるようになったのか。フランスの仏教研究者が『無門関』の誕生から日本将来後の受容を通じて考察する。



戦国仏教 湯浅治久著 吉川弘文館 2200円
戦乱や災害、飢饉が多発した戦国時代は、仏教が民衆に浸透した時代だった。日蓮とその門流を中心に仏教の受容と展開を考察。「西と東の日蓮宗」他。



神仏と祈りの情景 大庭康時他編 高志書院 2500円
シリーズ「九州の中世」の第4巻。日本固有の神々と結びついた霊山、仏教の伝播による仏像や石塔、キリスト教宣教師から見た九州など多様な視点から九州独自の信仰が浮き彫りになる。



仏縁を活かす最新法話データ大事典 雄山閣 18000円
目の前にいる人に何を、どう語り掛けるか。青少年の悩みから、夫婦の関係、職場など社会生活と、シーン別にまとめた法話の手引。中野東禅他編。



中世天皇葬礼史 久水俊和著 戎光祥出版 1800円
後継者に皇位を譲るまで「死」が許されなかった中世の天皇は、いかに葬られたのか。古代から中世への転換に注目し、土葬から火葬、神式から仏式へと移る弔いからその実像に迫る。



神になった日本人 小松和彦著 中央公論新社 900円
古来、日本人は実在の人物を死後、寺社に祀り信仰対象とする文化があった。空海、平将門、後醍醐天皇、佐倉惣五郎など11人の「神になった日本人」の物語から精神の基層を説く。



宿無し弘文 柳田由紀子著 集英社インターナショナル 1900円
アップル創業者のスティーブ・ジョブズが「生涯の師」と仰いだ曹洞宗僧侶・乙川弘文。家族をはじめ関係者の証言から実像に迫るノンフィクション。



これからの仏教 葬儀レス社会 櫻井義秀著 興山舎 2300円
副題は「人生百年の生老病死」。本誌好評連載中の「現代日本の宗教最前線の状況と問題」を単行本にしました。経済的に余裕なき世代が増え、生きるのも死ぬのも簡単でなくなる時代が来るがそのとき寺院住職の役割とは何か。問いと答えを詳述。



命ある限り歩き続ける 五木寛之・横田南嶺著 致知出版社 1600円
多くの僧俗から慕われる臨済宗円覚寺派管長とベストセラー作家が、故・松原泰道師の思い出、人生百年時代の死など仏教について語り合った対談集。



禅僧が教える不安に負けない心の整え方 主婦の友社 1300円
著者は庭園デザイナーでもある神奈川県の曹洞宗建功寺の枡野俊明住職。仕事の不安に押しつぶされず、人間関係のストレスに負けない心得を説く。



疫神病除の護符に描かれた元三大師良源 サンライズ出版900円
平安時代の天台宗僧侶、良源は鬼の姿となって疫病を退散させたという伝説から、今も護符に描かれ信仰を集めている。その伝説と生涯が紹介される。



お見合い35回にうんざりしてアメリカに家出して僧侶になって帰ってきました。 英月著 幻冬舎 1400円
お寺の娘に生まれ、親の薦める縁談に反発して渡米した先で出家した京都の真宗佛光寺派住職の自伝的エッセイ。



カラー版 お経と仏像でわかる仏教入門 釈徹宗監修 宝島社 1280円
お経と仏像を知れば仏教が分かる! と般若心経から法華経、観音経、浄土三部経のエッセンスと、諸仏を構成する物語をビジュアルと共に平易に解説。



波乱に満ちておもしろい! ストーリーで楽しむ伝記 空海 那須田淳著・十々夜絵 岩崎書店 1500円
弘法大師・空海の少年時代から、悟りに至るまでの物語性豊かな生涯を少年少女向けに挿し絵付きで伝える評伝。



遥かな巨大仏 半田カメラ著 書肆侃侃房 1800円
山間に、街中に突如として現れる巨大仏。その姿に魅せられ「大仏写真家」を名乗る写真家が西日本の巨大仏(高岡大仏、長浜びわこ大仏他)を紹介。





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