[『月刊住職』 2019年10月号より転載]

古代寺院史の研究 菱田哲郎他編 思文閣出版 13000円
考古学、文献史学、美術史学、建築史学など各分野の専門家が山城や大和、河内など畿内周辺地域の古代寺院遺跡について実地調査し、議論する「古代寺院史研究会」の研究成果と論考集。



紀伊の霊場と近世社会 佐藤顕著 清文堂書店 8200円
近世に庶民にブームとなった霊場巡り。紀伊の霊場はどのような様相だったのか。高野山麓や西国巡礼の信仰の実態と地域社会にもたらした経済効果に着目する。「供養数の推移」など。



「悪」と統治の日本近代 繁田真爾著 法藏館 5000円
近代日本は「悪」といかに向き合ってきたのか。戦前戦後における国民道徳の形成と構造、清沢満之を中心とする宗教論、明治期における監獄教誨に焦点をあて、現代に続く課題に迫る。



日蓮主義とはなんだったのか 大谷栄一著 講談社 3700円
副題は「近代日本の思想水脈」。明治時代、国柱会の田中智学と顕本法華宗元管長の本多日生が国家と宗教のあるべき姿を鼓舞した日蓮主義思想の軌跡と実践を検証。「理想はどこに」他。



宗教からみる戦争 戦争社会学研究会編 みずき書林 3000円
シリーズ戦争社会学研究の第三巻。近代戦で宗教が担ってきた役割とは何か。近代日本における「皇道仏教」の形成から、慰霊をめぐる戦争の記憶まで、信仰と暴力の関係に迫る論考集。



お経と仏像でわかる仏教入門 釈徹宗監修 洋泉社 1280円
十三経典(般若心経、華厳経、維摩経、法華経、観音経、無量寿経、阿弥陀経、観無量寿経、薬師経、大日経、金剛頂経、理趣経、金光明経)と、仏像や日本仏教の基礎知識を解説する。



親鸞「六つの顔」はなぜ生まれたのか 大澤絢子著 筑摩書房 1500円
ロングセラーの『歎異抄』など、日本人に広く親しまれてきた親鸞。宗祖の顔だけでなく、絵巻や小説に描かれた顔など時代ごとに形成された親鸞像を読み解く。「大衆化する親鸞」他。



「御文」のこころ 廣瀬惺著 東本願寺出版 1200円
真宗大谷派の機関紙『同朋新聞』の連載をまとめたもの。五百年以上にわたり真宗門徒の暮らしの中で親しまれてきた蓮如の『御文』が読み解かれる。



唱えればかなう真言事典 中野展子編著 国書刊行会 2700円
真言の基礎知識や歴史から、諸仏に対応する真言の役割とご利益を分かりやすく解説した真言入門。「一人ひとりの守護本尊となる干支の真言」他。



子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア 井上ウィマラ著 興山舎 2200円
本誌別冊で好評を博した「スピリチュアルケア講座」が単行本になりました。臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者がケアする人を守るケアの実践を伝授。



マンガで実用使える禅 枡野俊明監修 朝日新聞出版 1200円
庭園デザイナーとしても活躍する曹洞宗住職の監修による禅の入門書。禅の基礎知識、実践、禅語、十牛図の教え、日常生活の実践などを解説する。



地獄の歩き方 田村正彦監修 金の星社 1200円
人は死んだらどうなるのか。地獄はどんなところか。仏教思想に基づく死後の世界を、全国各地の地獄絵や閻魔を地図化している研究者が案内する。



道徳ロボット A・スマナサーラ著 サンガ 2000円
AIが発達し、善悪の判断ができる道徳ロボットの開発が進められている。人間が目指す脳の成長と仏教における倫理について仏教者の立場から問う。



生き方、ちょっと変えてみよう あなたはじつは仏の子 ひろさちや著 佼成出版社 1500円
何かにつけて競争社会は子供も大人も息苦しい。世間の価値観を手放し、出世間の立場に立つことで人間らしく生きることができると説く生き方指南。



「揺るがない心」をつくる101の名言 植西聰著 ゴマブックス 1380円
ネガティブな感情が湧き出るのは名僧も同じだった? 悩み苦しんだ名僧たちの言葉から力を得るメッセージ集。



宗教事象事典 レジーヌ・アズリア他編 みすず書房 20000円
グローバル社会に、固有の宗教や文化を背景としたアイデンティティが揺らいでいる。現代の宗教事象に超領域的な人文社会科学のアプローチで迫る。



江戸御府内八十八个所 御朱印を求めて歩く メイツ出版 1630円
江戸時代、関東に開創された、四国八十八ケ所の写し霊場の巡礼ルートガイド。各札所の歴史や巡礼の心得も紹介。地図付き。江戸巡りん倶楽部著。





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