[『月刊住職』 2016年4月号より転載]

天台四教儀談義 三友健容著 大法輪閣 8000円
副題は「法華経理解を深める天台学へのいざない」。天台智者大師の『四教儀』を抄録した『天台四教儀』は天台教学を学ぶ上で必読の書といわれる。原文に現代語訳と講義が付されている。



日本古代仏教の伝来と受容 薗田香融著 塙書房 13000円
日本に伝わった仏教はいかに受容されたか。東アジアにおける仏教史を視野に「わが国における内道場の起源」「間写経研究序説」「天台宗の誕生と発展」などを論じた11篇を収載。



平安王朝の葬送 死・入棺・埋骨 朧谷寿著 思文閣出版 3700円
古代から中世にかけて、貴人たちはいかに葬られ、その死はどのように表現されたか。桓武天皇から安徳天皇まで日本古代摂関・院政期の天皇と貴族の葬送儀礼に着目し相違点を考察する。



中世釈教歌の研究 寂然・西行・慈円 山本章博著 笠間書院 6000円
釈教歌は仏教思想に基づいて詠まれた和歌のこと。仏教と和歌が接近した理由を平安末期から鎌倉初期の寂然、西行、慈円の歌集や当時の時代背景から読み解く。「西行と海浜の人々」他。



大乗と小乗の世界 永井一夫著 東方出版 1600円
副題は「ブッダは何を教えたか 四つの真理と八正道」。日本人と仏教の関わりと展開を、仏教成立からひもとく。「仏教の成立とブッダの歩み」他。



オックスフォード仏教辞典 末木文美士監訳 朝倉書店 9000円
世界軸から「仏教」を捉え、歴史から教義、著名僧侶、研究者、地名、文化遺産、さらに現代社会と宗教倫理など最新の動きも網羅した約二千項目に及ぶオックスフォード仏教辞典の邦訳。



空海の座標 高木訷元著 慶應義塾大学出版会 2800円
「存在とコトバの深秘学」が副題。高野山大学元学長が、空海が生きた時代背景やその足跡を辿りつつ、空海の代表的な著作を読み解きながら、密教思想の核心であるマンダラ思想がいかに体系化されたかを考察している。



仏教法話大事典第2集 ジャータカ編 ひろさちや編著 すずき出版 20000円
『イソップ物語』『アラビアン・ナイト』『今昔物語集』など東西各国の文学に影響を与えた釈尊の本生譚「ジャータカ物語」。うち162話を特徴ごとに分類し、解説を付した法話事典。



充実 茶掛の禅語辞典 有馬賴底監修 淡交社 8148円
茶掛け禅語のくずし字一覧から禅僧・詩人略伝、禅の用語や出典となる漢詩集、関連用語など約5300項目を解説。注=価格は4月末日まで特別価格8148円、5月1日以降は10000円。



いつでも法話ができる現代布教キーワード 稲垣真澄著 興山舎 2900円
本誌好評連載中の「住職のための今月のことばキーワード」を単行本にしました。直葬、一億総活躍社会など布教に欠かせない現代用語176を各見開き2頁で解説。



曹洞宗の葬儀と供養 小島泰道監修 水曜社 1800円
葬儀と供養の意義を広く伝えたいと曹洞宗岐阜県青年会が企画編集した本。お葬式の意味や用語を豊富な写真とイラストを交えてQ&A式で解説する。



親鸞 主上臣下、法に背く 末木文美士著 ミネルヴァ書房 2800円
苛烈な念仏弾圧を受け、越後へ流罪に遭いながらも独自の信仰と思想を打ち立てた親鸞。著書『教行信証』などから通説にない新たな人物像に迫る。



仏教ではこう考えます 釈徹宗著 祥伝社 620円
「上手な死に方って何?」「お坊さんはどんな姿勢で読経しているの?」など仏教や僧侶への質問に比較宗教学者でもある浄土真宗本願寺派住職が回答。



宗教の壁を乗り越える 宮本久義・堀内俊郎著 ノンブル社 2500円
「多文化共生社会への思想的基盤」が副題。仏教、キリスト教、イスラム教など各国の宗教問題を通じて多文化社会における共生の可能性を探る論集。



消しゴム仏はんこ。 津久井智子・麻田弘潤著 誠文堂新光社 1600円
消しゴムを版木に、仏像や極楽鳥など仏教モチーフを彫る消しゴムはんこ作家と新潟県の浄土真宗本願寺派極楽寺住職のコンビによる法話付テキスト。



光の山 玄侑宗久著 新潮社 460円
東日本大震災、福島第一原発事故は福島県在住の作家で臨済宗妙心寺派寺院住職である著者に何をもたらしたのか。震災後に書かれた短編集の文庫判。



関東八十八ヵ所霊場ガイド 関東八十八ヵ所霊場会監修 800円
昨年開創20周年を迎えた関東八十八ヵ所霊場会による公式ガイドブック。全行程1699.6㌔におよぶ巡礼の道と札所寺院をカラー写真と共に紹介。





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