[『月刊住職』 2016年1月号より転載]

大乗仏教と浄土教 ノンブル社 23000円
インド原始仏教の碩学、小澤憲珠大正大学名誉教授の頌寿記念論文集。浄土教学、法然の釈尊観、インド仏教、写本研究、真言密教など多岐にわたる最新の学術研究論文38点を収載。



日本古代の喪葬儀礼と律令制 稲田奈津子著 吉川弘文館 9500円
日本古代の喪葬令は唐令の影響を色濃く受けている。天皇の葬送や服喪期間、忌日法会、官人の埋葬地の変化、新史料「天聖令」の検討から律令制の目指した喪葬儀礼が明らかにされる。



戦時下の日本仏教と南方地域 大澤広嗣著 法藏館 4800円
仏教界は〝大東亜共栄圏?の建設にいかに関与したか。戦時中、南方進攻はじめ、戦争推進のために政府・軍部と仏教界が協働した知られざる「官民僧俗一体の翼賛体制」の実態に迫る。



〈他者〉としての古典 山藤夏郎著 和泉書院 18000円
「禅僧はなぜ詩を作ったのか」という問いを立て、中世禅僧の詩作の背景を仏教の言語理論、中世の文芸理論にまで視野を広げて考察した研究論考。「禅僧の初等教育カリキュラム」他。



親鸞 教行信証 親鸞仏教センター著 東本願寺出版 2500円
副題の「鈴木大拙の英訳にもとづく現代日本語訳」のとおり約半世紀前に仏教学者の鈴木大拙が英訳した親鸞の『教行信証』が、このほど原書の特徴を活かして平易な日本語に翻訳された。



親鸞の発見した日本 仏教の究極 諏訪春雄著 笠間書院 1900円
なぜ浄土真宗は巨大教団になり得たのか。背景に、人は死んでも霊魂となり、神として永遠に生き続けるという日本人特有の人間観があるという。親鸞思想から日本仏教について考察する。



禅の発想 日常の言葉で心を整える 藤原東演著 大和書房 1400円
我慢、玄関、知識、挨拶など身の回りに仏教由来の日常語があふれている。臨済宗妙心寺派住職が、一語一語に禅的思考から、その言葉の意味を説く。



仏教の知恵 禅の世界 愛知学院大学禅研究所編 大法輪閣 2200円
仏教と禅について河合隼雄、佐々木閑、吉津宜英、横山紘一、立川武蔵、蓑輪顕量、小松和彦、玄侑宗久、木村清孝、永井政之、尾崎正善、中尾良信、大谷哲夫、竹村牧男、中祖一誠が迫る。



「見えないもの」を大切に生きる。 平井正修著 幻冬舎 1200円
「生活と心を調える禅的思考のすすめ」が副題。著者は東京の臨済宗国泰寺派全生庵住職。情報過多の悩める現代人への生き方指南。「SNSで『いいね!』を集めて満足しない。」他。



だれでもできる大往生 亀井鑛著 興山舎 1900円
本誌好評連載を単行本にしました。落語や伝承は法話の宝庫。NHKEテレ「こころの時代」元司会者が41の名作を題材に人生を好転させる「さとり」の極意を説く。



スター・ウォーズ 禅の教え KADOKAWA 1300円
著者は横浜にある曹洞宗建功寺の枡野俊明住職。大人気映画『スター・ウォーズ』の伝説の名シーンから、禅の教えを読み解くユニークな法話集。



1日5分 朝の「禅のことば」練習帖 南泉和尚他著 ナツメ社 1100円
毎朝五分、禅の教えに向き合う時間を作る書き込み式の禅語集。一期一会、主人公、脚下照顧、平常心是道など一日一語、一カ月分の禅語を収載する。



若き良寛の肖像 小島正芳著 考古堂書店 1500円
新潟の商家に生まれ、激動の時代のなかで出家を志した良寛。出家から帰郷までに焦点をあて、その芸術と才能における父親の以南の影響を描き出す。



描かれる地獄 語られる地獄 田村正彦著 三弥井書店 2800円
古来より絵画や文学に描かれ、絵解き説教の教材にも用いられてきた地獄。様々な芸術作品から思想の系譜を読み解く。「和泉式部が見た地獄絵」他。



ティク・ナット・ハン マインドフルネスの教え サンガ 2500円
瞑想を取り入れた心理療法「マインドフルネス」を提唱するベトナム人禅僧、ティク・ナット・ハンの2015年来日記録。インタビューなども収載。



やさしい精進料理 西川玄房著 淡交社 1700円
副題は「こころもからだもきれいになる」。精進料理で知られる京都の大本山妙心寺塔頭、東林院の住職が家庭でもできる精進レシピを写真と共に紹介。



心やすらぐ仏像なぞり書き 田中ひろみ著 池田書店 1000円
東大寺の誕生仏、興福寺の阿修羅像、東寺の帝釈天、浄瑠璃寺の吉祥天、秋篠寺の伎芸天など日本各地の名だたる仏像の解説付きノートサイズの写仏帳。





Copyright (C) 2006-2016 kohzansha. All Rights Reserved.