[『月刊住職』 2014年1月号より転載]

仏典はどう漢訳されたのか 船山徹著 岩波書店 3000円
インド原語で編まれた仏教経典は漢字文化圏に入る過程でいかに翻訳されたのか。玄奘、鳩摩羅什など翻訳にあ たった僧侶らの翻訳理論や、翻訳過程の変容に注目し、その意義を探った書。



仏教と雅楽 小野功龍著 法藏館 3500円
仏教と雅楽の関わりとは何か。大阪の天王寺楽所雅亮会理事長として長年、舞楽の伝承と発展に尽くしてきた浄土真宗本願寺派僧侶の舞楽研究をまとめたもの。「西本願寺の声明と雅楽」他。



芝増上寺境内地の歴史的景観 伊坂道子著 岩田書院 8800円
浄土宗大本山増上寺の境内は、かつて五十を超える山内寺院と三千もの人口を有する壮大な宗教空間を形成していた。建築家が古文書などをもとに境内が芝公園に変わるその歴史を描く。



越後における真宗の展開と蒲原平野 田子了祐著 考古堂書店 5000円
日本海側では最大面積を持つ新潟・蒲原平野。同地における浄土真宗の展開について実地調査を続けてきた亡き住職の研究成果がまとめられている。



みちのくと北海道の宗教世界 北海道出版企画センター 2800円
著者は北海道教育大函館校の佐々木馨特任教授。北海道の宗教世界はいかに変容してきたのか。開教と開拓の関係性などを通じ、中世から近世に至る道内の宗教史が浮き彫りにされている。



激突と調和 堀池信夫総編集 明治書院 2800円
ユーラシア大陸の思想を全五巻のシリーズで辿る「知のユーラシア」の第三巻。中国における儒教の成立と展開を仏教と道教との関係性から明らかにした論考集。「激突 仏教と儒教」他。



慰霊の系譜 村上興匡・西村明編 森話社 2800円
副題は「死者を記憶する共同体」。戦争や自然災害、事故などによる死者を日本人はいかに慰霊してきたか。近世から現代までの実態を国、地域、家族のそれぞれのレベルから捉えている。



西田哲学と歴史的世界 杉本耕一著 京都大学学術出版会 4500円
「宗教の問いへ」が副題。動乱の時代、日本を代表する哲学者は宗教にいかに臨んでいたか。歴史概念を軸に宗教に対する思想構造が読み解かれる。



密教の呪術 池口恵観著 ロングセラーズ 1800円
「その実践と応用」が副題。加持祈祷の本当の力とは何か。鹿児島県の高野山真言宗最福寺住職がその原理と修法を解説。「呪術は生きている」など。



あなたの知らない法然と浄土宗 山折哲雄監修 洋泉社 860円
法然が撰述した『選択本願念仏集』とは何か。法然と親鸞の出会いとは? 浄土宗の特徴と法然の教えをQ&A式に平易にまとめた入門書。新書判。



丸山照雄「認識の仏教」 水書坊 3333円
公害企業を批判し超宗派僧侶で呪殺祈祷僧団を結成、宗教評論家として東本願寺紛争や創価学会などを幅広く論じた日蓮宗僧侶・丸山照雄の遺稿集。



遺骨 語りかける命の痕跡 殿平善彦著 かもがわ出版 2200円
北海道における朝鮮半島出身者の強制連行・強制労働の歴史を掘り起こし、遺骨返還に尽力してきた浄土真宗本願寺派一乗寺の住職による活動の記録。



あなたの疑問に答える 仏教なんでも相談室 大法輪閣 1600円
超宗派の有志僧侶たちによる東京の「仏教情報センター」で長年、電話相談員を務めた曹洞宗の鈴木永城住職が、人生や仏教の様々な悩みに答える。



この世に命を授かりもうして 酒井雄哉著 幻冬舎 838円
二度の比叡山千日回峰行を成満し多くの人に慕われた故・天台宗阿闍梨の生前のインタビュー集。「ガンを知る、おのれの不始末を知る」他。新書判。



とちぎの天台の寺めぐり 下野新聞社 1500円
慈覚大師円仁千百五十年遠忌を記念して円仁の出身地である天台宗栃木教区宗務所が円仁ゆかりの県内寺院すべてを網羅したカラー写真入りのガイドブックを作成。別冊の御朱印帳付き。



日本人の心のかたち 玄侑宗久著 角川マガジンズ 780円
災害列島の歴史から日本人は独特の思考を持つようになった。芥川賞作家で福島県・臨済宗妙心寺派福聚寺住職が日本人の心の深層に迫る。新書判。



神と仏と大和の心 奈良新聞社編 奈良新聞社 2000円
現代社会の諸問題に大和の宗教者たちはどのような言葉を発するのか。奈良新聞に連載された宗教者十九人へのインタビューを一冊にまとめたもの。



仏教書総目録2014 仏教書総目録刊行会 300円
聖典・経典から仏教文化、現代仏教界に関わるものまで現在、入手できる仏教書二千三百点の最新の総目録集。





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