6月号画像
A5判・206頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2020年6月号の主な内容 (Vol.551)

[今月号の特集]

緊急事態宣言で収入が激減した寺院を国はなぜ支援しないのか
新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた中小規模の会社や公益法人等を対象とする「持続化給付金」の給付が始まった。だが、宗教法人はこの支援制度を一切受けられない。影響の深刻な寺院から次々に疑問の声が上がっている。


これからの日本は「葬儀レス」社会になるのか!?
「お坊さんのいないお葬式」を謳い文句に無宗教葬に特化した葬儀業者が出現した。ここ30年ほどで葬儀社は家族葬や一日葬など葬儀の簡略化を先導し、10年前には直葬が社会問題になったが、はたして、これからの日本は全く葬儀をしない「葬儀レス」社会になっていくのだろうか。葬儀が激しく変わる今こそ寺院住職のなすべきは何かを考える。


コロナで人の分断よりつながりが命だと動く寺院の実践
コロナ禍に伴う緊急事態宣言と、人々の接触を避ける行動制限が、経済活動ばかりか人々の生存まで不安定なものに追い込んでいる。分断された地域や人の心をつなごうとフットワーク軽く動き出したのは、やはりお寺だった。



寺領売却のためと思われた宗派離脱申請を所轄庁はなぜ認証したか
2カ寺を兼務する愛知県内の曹洞宗寺院住職が、檀信徒多数の知らぬ間に宗派から離脱し単立化した。しかも境内地など資産価値にして10億円を超える寺有資産は業者に売却され、墓地も公売に付されている。事態を取材すると、そこには所轄庁における宗教法人行政の闇が浮かび上がった。



国の在宅医療政策で危機に瀕する在宅看取りに何ができるか
増える病院の患者を減らすために国は在宅医療を推進している。当然、そこには死への看取り策があるべきなのに、国は宗教者の関与も政策も何ら用意していない。在宅看取りに危機が迫っているのだ。そんななか、新たな動きが医療や民間団体から現れている。仏教界もその実際を知る必要がある。



お寺でもやってみたい画期的な掃除方法
外出自粛が叫ばれてから家の掃除に力を入れる人が増えている。無論、お寺は日頃から人を快く迎え入れるために清掃にはことかかない。といっても、その掃除の方法も進化している。より効果的な仕方を、掃除の専門家や曹洞宗で典座を務めた住職などに取材した。



新連載 薬剤師住職の新型コロナウイルスへの向き合い方(1)…太瑞知見(曹洞宗玉峰寺住職・薬剤師)
「天平の疫病大流行に学ぶ仏教も医薬も問われるパラダイムシフト」

社会も政事も人心も、もちろん宗教界も、疫病の大流行によって大きな変革を遂げてきたのが人類史だ。原始経典や釈尊の医療、そして現代の薬学にも精通された禅僧に、現下のパンデミックにどう対すべきかを提言してもらおう。



特別寄稿 「生前契約」活動30年の成果と寺院への提案(2)…松島如戒(NPOりすシステム創始者)
「死後をお寺が引き受けるための生前契約を可能にする法的仕組みと実際」

たとえ自らの財産でも死ねば自分の思い通りにならないのが日本の民法だ。いわんや死後の葬儀や墓所などは遺族に任せるほかはない。「だが、それでいいのか」と立ち上がった僧侶が考案した、寺院が死後を引き受けるための生前契約の仕組みとは何か。



新連載 これからの寺院にマーケティングがなぜ必要か寺檀展開の新たな視座(2)…福井良應(真言宗御室派興山寺副住職/大阪経済大学・京都府立大学非常勤講師)
「自坊はどういった人に必要とされているのかを可視化しよう」

博報堂生活総合研究所の調査によると、高齢者がこれから欲しいものは「幸せ」より「お金」のほうが割合が高い。どうすれば顧客つまり檀信徒を満足させられるかを考えるマーケティングからすれば、この意識変化は極めて大事なことだ。しかも、従来の顧客ばかりに目を向けていると発展の可能性は閉ざされるという。



新寺建立を築150年の古民家で成就した都市開教住職の志
新しいお寺を建てようと首都圏に飛び込んだ浄土真宗本願寺派僧侶が、わずか4年で開山を成し遂げた。その立地は人口減少が進む埼玉県比企郡吉見町、伽藍は古民家をリノベーションしたものだから皆驚いたが、住職には揺るぎなき正念があったのだ。
 新刊刊行 
 本誌に毎号掲載している「住職ルポ」を単行本とした『みんなに知ってほしい――日本のものすごい10人の住職』(本体価格2,000円)を刊行しました! 貧窮者のために1日も欠かさず炊き出しを行う山寺の住職や、参拝ポイントカードや檀家出資の太陽光発電を成功させた住職、檀家ゼロから1000軒余の駆け込み寺に発展させた住職など、各地で奮闘する10人の住職の迫真のルポルタージュです。 <詳細を見る>



第15回本誌「住職関心事アンケート」結果(2)
前号に続き、第15回「住職関心事アンケート」の結果を報告しよう。今回は「貴寺では泥棒に入られたことがありますか? その様子は?」「具体的に防犯対策を講じていますか?」の2問だ。実際の経験談や対策が多数寄せられた。



集中連載 人生100年時代の宗教指導者の長い老後問題(6)…川又俊則(鈴鹿大学副学長/宗教社会学者))
「老年期を生きる僧侶2人の信仰生活史と神社や神職の調査結果に学ぶこと」

修行歴が長いほど、また老境に達するほどに僧侶は信頼されるものという見方がある。それはなぜか。一方、神社神職の実態調査からは、仏教界を凌ぐ高齢化と神社兼務率の高さが判明した。日本宗教界全体の今後を危惧する声もある。



葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔14〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
特別編 感染死の民俗的対応「非業な死にはとりわけ手厚い葬儀や供養が必要だ」

現下の葬儀、なかでも新型コロナウイルス感染で亡くなられた方の葬儀について思わざるを得ない。故人はもとより遺族にとっても、誰もが手厚くなされてきた葬儀ができない状況にあるだけに日本の民俗としても考えざるを得ないという。



連載 日本人はいかに弔われてきたのか〔22〕最終回
「樹木葬や自然葬で分かる歴史的転換期を迎えた生者と死者の関係」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

死の儀式と文化をもたない民族は、いまだかつて地球上に存在しなかったという。しかし今、社会構造の大きな変化と共に、死者との関わり方も新たな時代を迎えている。死者は人の記憶から消され闇の世界に閉じ込められてしまうのか。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔56〕
「忘れていけないのはヒトの遺伝子の半分近くはウイルス由来であることである」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
寺脇研 (評論家/元文部官僚) … 「映画『子どもたちをよろしく』を作る」
姫野カオルコ (小説家) … 「私の思いつきですが……」


 絶賛大人気! 
本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい! <詳細を見る>



 いま、売れてます 
 富士山山頂や原爆ドーム、バチカン、エジプトのピラミッド前、全国の市役所、公園、学校、観光名所、街角、神社教会、それに各宗の寺院にも建っている「世界人類が平和でありますように」とは何か。世界194カ所に20万あまりのポールを建立した五井昌久の宗教と人生を学術的に初めて解明した第一級研究書。 <詳細を見る>



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔39〕
「コロナ禍で自殺者が増えるとすれば僧侶こそ頑張ってほしい」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

厚生労働省の発表によれば、2019年の自殺者数は2万169人だったという。だが、コロナウイルスによる経済と心の問題から、近年、減少傾向にあった自殺が再び増えるのではないかと懸念されている。これにどう向き合うべきか。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔35〕
「コロナの時代とはまさに末法の時と正見すべきことなのだから」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔110〕
「釈尊最後の旅路とされる『涅槃経』を正しく読み始めるために」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 大増刷! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』 第1巻―お釈迦さまはなぜ出家し、いかに覚ったか(本体価格2,400円)を大増刷しました。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。大増刷ロングセラーです。また既刊の第2巻第3巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。



現代日本の宗教最前線の状況と問題〔84〕
「オンラインで社会も人も宗教も大丈夫か」…櫻井義秀(北海道大学教授・宗教社会学者)




障害者を快く迎えるお寺にしよう〔50〕
「コロナ禍を契機に障害者の生活や労働状況も大きく変化する」…野沢和弘(毎日新聞客員編集委員)

政府は春休み前から全国の学校に休校を要請した。だが、福祉施設や事業所などには休業要請をしないため、行き場を失った障害児が学校から福祉の場へと「逆流」することになった。



[ショートルポ]
●長野県内の高野山真言宗住職が40年にわたって書と仏画に専心できた訳
●全国調査で分かった家族葬の増加とお布施平均額23万6000円余の実態




[法律・税金相談]
法律相談… 大島義則(弁護士)・赤松和佳(弁護士)
質問1 法律や人事院規則から分かる法話や檀信徒と話す際にセクハラと言われないための心得
質問2 離婚した檀家の元妻から墓に葬られたわが子の遺骨を分骨してほしいと頼まれたが法的にどうなるか

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 新型コロナウイルスで寺院や住職にかかわる税務上の特例や給付や助成金はありますか
質問2 国からの10万円の給付金を檀家から集めて困窮檀家にあげたいが税金はかかりますか






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔18〕…松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)
 
「遺族に喜ばれるお金をかけないお寺葬とは」 対論…小原泰明(愛知県曹洞宗西光寺副住職および曹洞宗満目院住職)
 松本紹圭のテンプルゼミ(4)「今こそお寺は『新たな習慣』を提案しよう」



 認知症高齢者と共に歩む僧侶如実記〔9〕
 
「認知症になっても社会に所属したいという欲求は残るものだ」
  日髙明
(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)




 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔203〕
 「コロナでお寺も減収でも補償などあろうはずもなく」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 色即是空の科学事始め〔169〕
 
 「国難は最も貧しい者を襲う――日本は感染爆発を先送りしているに過ぎない」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。 <詳細を見る>



 臨終医しか知らない大事な話〔18〕
 「大病に冒されても身を守ることができる最新養生訓」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔79〕
 
「日本人と現代仏教の位相(79)――近代日本仏教者の社会福祉活動(17)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔120〕
 「パンデミックが起きるたびに世界も宗教も変革を問われてきた」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 古今東西名著万巻のススメ〔88〕
 「渡辺照宏著『日本の仏教』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会元会長・日本宗教学会元理事)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔57〕
 「疫病で分かる地域力の新時代」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 新刊刊行 
 本欄掲載を元にした、井上ウィマラ(日本仏教心理学会会長)著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』(本体価格2200円)がたちまち大好評です! 家族の問題や肉親の死に心をいためる人々をケアする人にこそ救いが必要な現代、臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者による事実に即したケアの方法と効果を記す厳選50話。僧侶やカウンセラー、看護介護者、ケアワーカー、セラピストなどの専門職にこそ必読の実践書。
 
<詳細を見る>



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔61〕
 「人生で二度とこんな時間は味わいたくないと始めたことです」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 新刊刊行 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。
 
<詳細を見る>



 お説教のタネ本「今は映画館に行けぬがセリフは生きている!」


 在俗の説法者〔215〕 「人は生きねばならぬ」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集第2集第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔119〕 「巨大石仏の大悲」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 住職のための今月のことば
 
「日本の振り仮名の創造性」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。
 
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 すぐ使える法話セミナー〔38〕 「水の話を説法に」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。 <詳細を見る>



 法語伝道聖句三昧〔258〕 「三密」
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔95〕 「オンライン」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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