2月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2020年2月号の主な内容 (Vol.547)

[今月号の特集]

僧侶に顧客満足点をつけて選別するネット葬儀社を黙認していいのか!?
僧侶の良しあしを業者が業者の都合で評価する時代になる。そんな理不尽に唖然とする。全国展開する僧侶派遣業者が、「この僧侶は何点」と利用客に点数を付けさせる僧侶の評価システムを作り、それをビジネスに利用するというのだから。その実態を取材した。


様々な要因で困窮に陥った住職に宗派は何をしてくれるのか
低収入でお寺の維持すらままならない住職は少なくない。近年相次ぐ大規模災害では、その都度、想像を超える数のお寺が大きな痛手をこうむっている。そうした経済的に苦境に立つ住職に、宗派はどんな手を差し伸べているのか。宗派の困窮寺院に対する支援策を比較検証しよう。


認知症の先代住職夫人の個人財産が使用人に狙われたのは本当か!?
事実なら驚愕の事件だ。アルツハイマー型認知症の先代住職夫人に取り入って養子縁組をした真言宗豊山派寺院の使用人が、先代住職夫人の財産を搾取しているという話だ。現在判明しているだけでも3000万円近いとか。真偽を取材した。



寺領に有害な建築残土を無断で捨てたのに業者も行政も賠償しない大罪!?
2万5600立方メートルもの膨大な建築残土が茨城県稲敷市の天台宗寺院に不法投棄されてしまった。撤去を求めようにも業者は資金不足というし、許可を与えた行政も争う姿勢をみせている。いま全国で問題になっている建築残土の捨て場にお寺が狙われているのだ。



地域に必ず欠かせないお寺として参詣者を増やす実践集
参詣者あってこそのお寺である。この認識に基づいて今からのお寺を見据えれば、やはり参詣者目線の方策が必須。また寺院の基盤が地域にあるとすれば、そのための活動も必要だ。老若男女に向けたカフェから、お寺発の地球温暖化防止活動まで、多様な実践を紹介しよう。



節分会をますます成功させる方法
今年も節分会を開くお寺は多いだろう。なかには、これから行事を始めようと考えるご住職もいるのではないか。その背中を押すために、今回は、真言宗醍醐派、浄土宗、真宗大谷派、日蓮宗の全国4カ寺の取り組みを紹介しよう。独自の工夫やアイデア、さらに集客のための広報のヒントも取材した。



分かりやすい法事を志して法要の式次第を毎回手作りする住職の教化力
漢文のお経か、和訳にするか。法話をするか、しないのか。住職によって法事のやり方も多種多様だ。神奈川県横浜市の天台宗住職は、法要のたびに故人の名前入りで詳しい式次第を作り、檀家の好評を得ている。その実践を取材した。



新連載 人生100年時代の宗教指導者の長い老後問題(2)…川又俊則(鈴鹿大学副学長/宗教社会学者)
「牧師や司祭の引退後の生活についてキリスト教団はいかに対処しているか」

キリスト教は牧師や司祭の老後問題にどのような対策を講じているのか。仏教教団や寺院にとっても、きわめて関心深いことに違いない。筆者の調査によれば、教団の年金制度や引退後の生活施設について信徒も協力している事実がある。



集中連載 格差が拡大する超高齢社会で問われる寺院の社会的責任とは何か!?(1)…小川有閑(大正大学地域構想研究所・BSR推進センター主幹研究員)
「孤独な高齢者に僧衣のままでの寺院活動が今求められている」

幸福感に包まれて暮らす人がいる一方で、報われない生活に苛立ったり苦悩する人々や、一人暮らしの寂しい老後、施設での日々に落ち込んでいる高齢者は少なくない。社会的格差が拡大しつつある現代に、寺院や住職はどうしたらよいのか!?



特別寄稿 お寺はなぜ古い石仏や墓碑を合祀し無縁塔にするのか…本田不二雄(フリーライター)
「無縁塔フィールドワークで分かったこと」

ひと口に無縁塔といっても、よく見ると、各寺院の供養の仕方や思いがその形から分かるような気になる。しかし、そうした無縁塔はどんな経緯で建てられたのか、存外知られていないのではないだろうか。



新連載 今につづく近世の寺院経営史実(2)…田中洋平(淑徳大学人文学部准教授)
「江戸幕府が企てた寺院本末制度の本当の目的は何だったのか」

今日存在する仏教寺院の中で江戸時代に建立された多くの寺院の縁起をたずねると、そこには江戸幕府の宗教政策が浮かび上がる。同時に、それらの寺院を支えた僧侶の出自にもかかわるという。その史実から見えてくるものは何か。



新連載 認知症高齢者と共に歩む僧侶如実記〔5〕…日髙明(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)
「歌ったり合誦することで認知症でも生きる喜びが取り戻せる」



葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔10〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
「葬儀の花が造花から白菊の生花に変化した理由」

葬儀に飾る花は生花の白菊が常識という話をよく聞く。しかし、それは長い伝統ではないし、西洋の影響でもない。しかも、花の種類も時とともに刻々と変化しているのはご存じのとおりだ。その変化から何が見えてくるのか。



連載 日本人はいかに弔われてきたのか〔18〕
「あの世に救済者としていたはずの仏の姿が消え始めたのはなぜか」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

命が尽きれば菩薩が迎えに来て浄土に往生できると、今でも多くの和尚が説いている。しかし、そうした来世のイメージは後退しつつあるという。すでに死後世界に仏が見られない風習もある。あの世がどんどん世俗化しているのはなぜなのか。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔52〕
「小学生に一人一台コンピューターを持たせ英語まで教える方針でいいのか」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
出口治明 (立命館アジア太平洋大学(APU)学長/ライフネット生命保険㈱創業者) … 「AIの発達で宗教は死滅するのか」
山極寿一 (京都大学総長/霊長類学者) … 「日本人の自然観と未来への展望」


 絶賛大人気! 
本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい!



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔35〕
「語る布教をしなかった神社の活性化対策はお寺にも活かせる」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

「お寺を盛り上げる7つのアクション」を提言した筆者が、「神社と人をつなぐ7つの要素」を神職研修会で説明しているという。そこには寺院にも有効な提言があるに違いない。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔31〕
「もしもほんの少し時代がずれていれば人ごとではなかったはず」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔106〕
「釈尊が否定したバラモン式水行をのちの仏教が取り入れた訳」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 大増刷! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第1巻―お釈迦さまはなぜ出家し、いかに覚ったか(本体価格2,400円)を大増刷しました。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。大増刷ロングセラーです。また既刊の第2巻、第3巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔47〕
「都心のオフィスで障害者の働く姿が見られるようになった訳」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

欧米諸国に比しても、日本の民間企業はハローワークから尻をたたかれながら、さまざまな工夫を凝らして知的障害者や精神障害者の雇用を進めていることは評価をすべきだと思う。



[ショートルポ]
●兵庫県のベトナム仏教寺院の住職が偽装結婚しなければならなかった訳
●四国八十八ヶ所霊場第62番札所寺院が霊場会に復帰した真相
●巡拝者を増やし続ける「伊勢の津七福神」の市民と一体で寺社多様性を活かす成功法




[法律・税金相談]
法律相談… 本間久雄(弁護士)・伯母治之(弁護士)
質問1 本堂や境内地を担保に融資を受けたが返済に窮したら差し押さえられてしまうのか
質問2 放置されている境内の忠魂碑を撤去したいが遺族会が解散状態の際はどうすべきか

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 ボランティアや病気などでお寺を休んだら「休業手当」をもらえますか
質問2 税務調査に向けて具体的にお寺はどのような準備や対策をすべきですか






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔14〕
 
「僧侶が宗派を超え本音で学び合える場を」
松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)対論…玉置真依(北海道高野山真言宗仁玄寺副住職・超宗派僧侶「てらつな」事務局員)



 本当の創価学会問題〔98〕
 
「公称550万部『聖教新聞』、年間納金1000億円といわれた教団の本年大綱に見る焦燥!?」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔80〕
 
「何に学ぶか、老後レスを生きる知恵と覚悟」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 色即是空の科学事始め〔165〕
 
 「日本人の精神構造の問題点――矢内原忠雄『日本精神と平和国家』に今こそ学ぶ」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 今こそ宗教と法律の問題新講座〔64〕
 「お寺が檀家を車で運送する問題」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 臨終医しか知らない大事な話〔14〕
 「100歳長寿の栄養源は肉食による蛋白質のおかげ!?」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔75〕
 
「日本人と現代仏教の位相(75)――近代日本仏教者の社会福祉活動(13)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔116〕
 「中村哲医師はどんな世界でいかなる思いをもって何をしていたのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 古今東西名著万巻のススメ〔85〕
 「加藤辨三郎著『仏教と実業』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔53〕
 「瞽女(ごぜ)が広めた歌が盆踊りに」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 新刊刊行 
 本欄掲載を元にした、井上ウィマラ(日本仏教心理学会会長)著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』(本体価格2200円)がたちまち大好評です! 家族の問題や肉親の死に心をいためる人々をケアする人にこそ救いが必要な現代、臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者による事実に即したケアの方法と効果を記す厳選50話。僧侶やカウンセラー、看護介護者、ケアワーカー、セラピストなどの専門職にこそ必読の実践書。



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔57〕
 「新しいことを始めればこんな人も寄ってくるのでしょうが……」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 新刊刊行 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。



 お説教のタネ本「1万円札になる日本資本主義の父の言葉」


 在俗の説法者〔211〕 「山里のワンチーム!」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔115〕 「太子精神を取り戻そう」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 住職のための今月のことば
 
「大型予算と『断念の思想』」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。



 すぐ使える法話セミナー〔34〕 「海の話を説法に」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔254〕 「物には心が現れる」
  天野こうゆう
(高野山真言宗住職)


 いまどきマンガ説法〔91〕 「分別」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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