4月号画像
A5判・200頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2016年4月号の主な内容 (Vol.501)

[今月号の特集]

仏教会が歳末募金で必要経費を除いて市に寄付したところ『朝日新聞』が非難報道! 一体何が悪いのか!?
三重県の名張市仏教会は40年も歳末募金に檀信徒の浄財を市に寄付してきた。ところが寄付の一部(浄財の10.5%)を経費に使用したことが「あってはならぬ」と『朝日新聞』は痛烈に批判した。しかしこの批判は正しいのか。報道に至った経緯を検証し、さらに全国の寄付団体(日本ユニセフや赤十字、赤い羽根、仏教ボランティア団体等)の募金経費の現況を取材して分かったことは?


お寺で檀家接待中に重傷を負った僧侶に労災保険はおりないのか!?
どの僧侶にもかかわる事件だ。福井県大野市の浄土真宗本願寺派寺院に勤める僧侶が檀家接待中の事故で半身不随の重傷を負った。僧侶は労働基準監督署等に労災認定を求め申請したが棄却された。そこで僧侶は、お寺に1億円以上の損害賠償を求める一方、国を相手に労災の不支給処分取消を求め提訴。現地取材を踏まえ、行政処分の詳細をレポートする。


大本山貫首への献上金が追徴課税された波紋と報道被害
『東京新聞』『中日新聞』を読まれた住職はさぞ驚いただろう。曹洞宗大本山の貫首や副貫首などへの慣習的な問候に対し、東京国税局が大本山に追徴課税したとセンセーショナルに報じられたのだ。しかも同紙は「仏教界の不明朗税務」と断じた。だが当局にも報道にも問題はあるのではないか!?


寺檀紛争の真相 女性住職の専権で寺院規則や慣習や運営を激変させたのはなぜか
埼玉県の真言宗豊山派寺院がこの2年間で大きな変貌を遂げた。護持役員会の解散に寺院規則の変更、さらには地元仏教会からの脱退、霊場会の返上などだ。変化の中、お寺と地元檀家の間に対立も生じている。混迷の原因は、同寺が公共事業で移転を余儀なくされたことによる巨額補償費なのか。



覚醒剤や大麻、危険ドラッグで逮捕される住職、副住職の薬物汚染に寺門の危機
元プロ野球選手の覚醒剤事件が大きな注目を集めたが、仏教界にも深刻な薬物汚染が広がっているのか。近年、覚醒剤や大麻の所持、使用で逮捕される僧侶の事件が相次いで起きている。宗門は再犯防止にいかに対応しているのか。



荒れた杉山を桜の里に変え過疎に沈む地域も人も元気にさせた住職の創意力
林業の不振で放置された杉山は過疎を象徴する風景でもある。この風景から変えようと、動いたのが愛知県新城市の曹洞宗の住職だ。1.5ヘクタールの杉を伐採し、なんと代わりに2000本を超える山桜やモミジを植えたのだ。お寺だからこその発想によって、集落に活気がみなぎり始めている。



「引きこもり」の若者にお寺を開放している住職の取り組み
福岡県北九州市の真宗木辺派寺院住職は、全国に70万人ともいわれる「引きこもり」の若者に門を開いた。月に2日、同寺が開く寺喫茶「Cafe☆Tera」に集まる引きこもりの若者の話に、住職は真摯に耳を傾ける。出口の見えない悩みに苦しむ若者に寄り添う活動のきっかけは、“生きづらさ”を感じながら過ごした自らの青年期の体験にあった……。



お寺の文書や檀信徒の情報が書かれた文書を正しく廃棄する方法
お寺には檀信徒の情報、寺院情報など重要な文書がたくさんある。とはいえ、どんな書類もいずれは捨てなければならない。これらが不要となったとき、一般ゴミとして出していいものか。お寺に有用なシュレッダー機種や、機密文書処理業者の利用法を紹介する。



住職のための今月のことば「地方移転」 …稲垣真澄(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 新刊予告 
 稲垣真澄が現代社会に斬り込む本誌連載がこの4月、ついに単行本『いつでも法話ができる 現代布教キーワード 必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)として新発売されました。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を宗教、葬送、社会など14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むためのヒントや説き方の実例集としても最適。



「新連載第2回」 障害者を快く迎えるお寺にしよう
手話通訳は誰のためにあるのかを身をもって教えられた…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

自分たちの都合で自分たちが暮らしやすい社会を作ってきたけれど、それによってはじき出されている人々がいることを認識できなかった。それが障害者問題として問われている。



殺人事件から分かる子どもの生と死(2)
子どもの死にたいという欲動が現実行動に繋がるのはなぜか…芹沢俊介(評論家)

思春期には多くの場合、自殺願望を抱く子どもがいるものだが、それが現実行動になるのはどういう場合か。子どもたちを襲う「死にたいという欲動」と他者を破壊する殺人とはどのように繋がるのか。



亡き人の霊的な現象に思い悩む人々に僧侶ができる儀礼の力…高橋原(東北大学実践宗教学寄附講座准教授)
ひと口に5年とはいえ東日本大震災の被災者たちの一日一日は筆舌に尽くせぬものがあったに違いない。とりわけ肉親を失った人々のなかには今なお、「心霊現象」に思い悩む人々も多いという。僧侶はいかに受け止めるべきか。



地元新聞記者の寺院現況リポート〔13〕
寺檀を超えて仏教を伝えるための「私塾」が活況を呈している実際…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

市井の多くのお寺は仏法を伝える布教所が始まりだったのではないか。それが次第に檀信徒の信仰の拠点となっていった。そうした観点から、原初を顧みて「私塾」としての活動を行う寺院や僧侶もある。それがいま、好評なのだ。



連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔31〕
水子供養はいまお寺でいかに行われているのか…内藤理恵子(宗教学者)

はかない命だった水子への供養はいまいかに行われているのか。素朴な思いで取材した結果をご報告しよう。流産にしろ堕胎にしろ水子供養への親たちの想いは切実だ。寺院はどのように受け止めているのか。




連載 寺院と僧侶と檀家の近世史実 〔22〕
今日に続く寺檀関係を全国各地にもたらした「高野聖」の活躍…圭室文雄(明治大学名誉教授)

かつて寺院と庶民とを寺檀関係として結び付けた確かな史料が和歌山県高野山に残っている。江戸時代以前より行われた「高野聖」の記録ともいえる。そこから何が見えるか。




連載 本当の創価学会問題 〔57〕
「どの大新聞もなぜ平気で創価学会に迎合する記事を掲載するのか!?」…段勲 (ジャーナリスト)




[寺院・住職に直言提言]
田部井淳子 (登山家) … 「一瞬を共に生きる」
佐高 信 (評論家) … 「喪主あいさつ」




[ショートルポ]
●ついに開運詐欺グループが逮捕されたが銀行口座を詐欺に使われたお寺はどうなるのか●全日本仏教会が中止要請した「お坊さん便」なんて全国7万5000カ寺で乗っ取ってしまえばいい●高野山真言宗が宗派の資産運用で前宗務総長等を提訴したことは宗派の自殺行為か




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【曹洞宗】懲戒処分の公表を求めるお寺の声に宗派はどう答えるのか
【高野山真言宗】宗派に罷免された住職が未だ居座る名古屋市の興正寺裁判詳報








 [好評連載]

 色即是空の科学事始め〔119〕
 
 「1億総活躍社会への違和感―国策標語で『1億何々』という言葉は100以上も……」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔60〕
 「釈尊の教団はなぜ提婆達多の教団を脅威としたのか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔38〕
 「日本と韓国の人々の幸福感が低いのは宗教と関連するのか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 秘められた祈りの形講座〔124〕
 「筆法にも秘訣がある霊符が仏教にも取り入れられた謎」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔140〕
 「中世の百姓たちは何を信仰していたのか―慈円起請文『門葉記』や公家日記『兵範記』を参考に」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔162〕
 「涅槃図を初めて教えられたのは園児のおかげです」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔22〕
 「今こそお寺で葬儀をしよう(2)」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔30〕
 「日本人と現代仏教の位相(30)― 足湯ボランティア」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔71〕
 「日本が急接近中のヒンドゥー至上主義政権は本当に安泰なのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔51〕
 「師が伝え弟子が受け継ぐもの」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔49〕
 「岡倉覚三(天心)著『茶の本』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔64〕
 「一音を以って法を演説す」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔8〕
 「脈々と続く少女たちの盆踊り」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 本間久雄(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 当寺で葬儀をしない者は檀徒資格も墓も失うと規定したのは人権蹂躙か
質問2 会社の土地を抵当にして貸したお寺の大金は公共の土地収用で回収できるか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 寺院が「ふるさと納税」を行うとどんな利点があるのか? 新制度の概要は?
質問2 開創法要でお寺の皆に記念品と祝儀を出したいが税金はかかりますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「聞いても読んでも解らぬ介護用語をやさしく」


 在俗の説法者〔165〕 「捨てられし子の奇跡」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔69〕 「世界に懺悔と許しを」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔80〕 「慈念加持せよ」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔11〕
 「美容整形とかダイエットしてもいいかと聞かれたら」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 そもそもお葬式セミナー〔156〕 「通夜法話の重要性」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔208〕 「怒りは一時の狂気である」
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔45〕 「迷惑」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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