4月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2015年4月号の主な内容 (Vol.489)

[今月号の特集]

暴行容疑で逮捕され全国報道された住職が檀家を名誉毀損で提訴したのは報道被害が原因か
昨年11月、鳥取市内の山間部にある曹洞宗寺院の住職が檀家に暴行を振るった容疑で逮捕された。この小さな田舎のお寺で起きた小競り合いが、地元紙ばかりかテレビで派手に実名報道された。住職は22日間の長期にわたって勾留されたが、結果として不起訴。今年1月、住職は檀家を相手取り、暴行はなかったとして鳥取地裁に損害賠償を求めて提訴した。背景には報道被害もあるのか。


住職の世襲制をなくす寺院規則変更で国も県も門徒も巻き込む大紛争の波紋
真宗寺院の多くは本山同様、住職の世襲制を寺院規則に定めている。その変更、つまり世襲制をやめるための規則変更をめぐって、愛知県の真宗大谷派寺院ではいくつもの裁判が起きている。国の宗教法人審議会も愛知県でも様々な論議を呼び、事態は深刻だ。



住職も知るべき現実 多死社会と直葬の増加で火葬場が困っている…武田至(一般社団法人火葬研代表理事)
葬儀をせず僧侶も帯同せず、直接、火葬場に遺体が持ち込まれるケースが珍しくなくなってきたという。しかも死亡者が増えており、当然、火葬場の負担は大きくなるばかりだ。葬送の変化が最も端的に現れる火葬場の現状を見よう。



新連載 地元新聞記者の寺院現況リポート〔1〕
中国地方の過疎のお寺はいまどうなっているか 心のよりどころであるお寺を消さないための過疎地の僧侶と住民の苦悩…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

住民が減れば、由緒あるお寺も廃れていく。だが、過疎の集落に暮らす人々にとって、法義に触れ、同信同朋が集う場としてのお寺の大切さは変わらない。活力を失う山里でこれからもお寺を守り続けられるか。



釈尊の誕生日を知ってもらうために 白象パレードで花祭りを広めよう
4月8日は釈尊の誕生日。しかし日本人にこの日は何の日と聞いたら、正解はどれほどか不安。やはりPRしかない。となれば、白象行列が第一。最近ではやめてしまうお寺もあるが、大好評の北海道・栗山町仏教会、東京都・日蓮宗宗柏寺、広島市浄土真宗寺院連絡協議会、長崎市仏教青年会の実践を見よう。



10宗派の僧侶による電話相談が好評の秘訣 相談員がよく話せたと思う時ほど相手は満足していないと知る…野木裕子(ライター)
「話せば心も軽くなる」を合い言葉に10宗派の僧侶約120人が電話でさまざまな相談に乗って、なんと30年近くになる。大阪仏教テレホン相談室だ。「悩み、苦しみを吸収してあげるのが私たちの役割」と今日も電話の前に坐る。大阪仏教テレホン相談室・三木應岳会長に聞く実際。



仏法布教はお寺の玄関から始まるという住職の思いと最新設計に学ぶ
建物の顔であり、お寺に住む住職、寺族との最初の出会いの場である「玄関」は、お寺の第一印象を大きく左右する。もちろん語源を辿るまでもなく仏法布教の場として重視する住職も多い。では実際にどんな玄関がよいのか。最新設計から印象度アップの改修事例、ユニークなアイデアなど玄関布教にヒント満載の実践実例を取材した。



檀徒の心を潤すお斎(お寺での食事)の作り方と出し方〔2〕
お寺に集まり、食事をする「お斎」の意義は大きい。お寺と檀信徒の結束で昔からの習慣を脈々と続けたり、新たな方法を工夫する福岡県・浄土宗福圓寺、秋田県・曹洞宗円通寺、広島県・浄土真宗本願寺派浄謙寺、東京都・真宗高田派常國寺の実践をルポ。



宮絵師に聞く! お寺の襖絵を正しく修復する方法
古びて傷んだ襖絵をそのままにしているお寺は案外多いのではないか。少ない予算でも直す方法はあるか。寺社の荘厳にかかわる数多の修復を手がけてきた「京の名工」、安川如風氏にその技法の実際と費用などを取材した。



不要になった墓石はどう処分すればいいのか
改葬手続きの簡略化や継承者不在により不要になる墓石が増える一方で、墓石の不法投棄も問題になっている。とすれば、墓石と縁が深いお寺側にもできることがあるだろう。墓石の処分の仕方や信頼できる業者の見分け方に加え、不法投棄防止に奔走する住職にも取材した。




カウンセラー報告〔2〕僧侶であることの危機を乗り越えて…富田富士也(教育・心理カウンセラー)
妻から「おひまをください」と言われてしまった住職が返した言葉は?

寺族が危ない!? お寺に嫁いできた女性が住職の妻として、またお寺の奥さんとして新たな人生を歩むなかで、誰にも言えない思いにとらわれることが少なくないという。それはなぜなのか。




人口減少社会に宗教は、寺院は、どうなるのか〔3〕…川又俊則(鈴鹿短期大学教授/宗教社会学者)
専従者がいなくなってしまった寺院や教会の存亡

過疎地の寺院にとって深刻なのは檀信徒の減少ばかりではない。専従の住職が亡くなるとそのまま無住になってしまうことだ。多くの場合、近在の寺院住職が兼務してこれを支えていよう。こうした現状に檀信徒の思いはどうなのか。




激変する葬送にいかに対処すればよいか!?〔19〕…内藤理恵子(宗教学者)
「パワーストーンブレスレットと数珠のギャップ」




住職も知るべき認知症との向き合い方〔4〕…杉山孝博(公益社団法人認知症の人と家族の会副代表理事/川崎幸クリニック院長)
「食後すぐなのにまたご飯を欲しがったり介護者を泥棒と責めたりお触り(H)しても慌てない」




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【臨済宗妙心寺派】全寺院の3割超が兼務寺院の臨済宗妙心寺派が行ったアンケート調査で住職と総代に聞いて分かった知られざる兼務寺院の実態




[寺院・住職に直言提言]
古井由吉 (作家) … 「鐘の声」
天地総子 (歌手) … 「私と仏教との出会い」




[ショートルポ]
●墓地の許認可をめぐり名義貸しかどうかと群馬県の臨済宗建長寺派寺院と東京都世田谷区が争う裁判の重要性●臨黄教化研究会が開催した初めての青年僧ディベート大会を観戦すると…●曹洞宗総合研究センター「自死者供養の会」の青年僧が遺族らに教えられた法要の本当の力





 [好評連載]

 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔48〕
 「サンガを巻き込んだ釈尊と提婆達多の対決の発端」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔29〕
 「“アジアの奇跡”といわれるほど韓国にキリスト教が急伸した真相」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 秘められた祈りの形講座〔113〕
 「お茶が仏教寺院や供養にも結び付いた縁起と功徳」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔128〕
「法要を頼む者と読経する僧侶の深い関係」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔10〕
 「仏教を封じ込めた徳川家康の葬儀に僧侶はどうかかわったか」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 本当の創価学会問題〔45〕
 「宗教法人創価学会がなぜ選挙宗教に変貌したのか、本当の理由と現実」

  段勲
(ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔150〕
 「お盛物はともかく法事してくれるだけでもいいか」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 パーソナルブッディズム〔30〕
 「ただ、ある、のカウンター」
  小池龍之介
(正現寺住職)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔10〕
 「檀信徒は菩提寺に何を求めているか」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔18〕
 「日本人と現代仏教の位相(18)――自死防止に取り組む仏教者」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔21〕
 「住職も知るべき遺言の法的要件」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 70億人の宗教トレンド〔59〕
 「ヨルダンが後藤健二さんより自国軍パイロットの救出に執着した訳」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔40〕
 「葬式で親族が死に顔を撮ろうとしたら…」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔107〕
 「プラシーボかノーシーボか――「『私は喜ばせよう』か『私は傷つけよう』か」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 古今東西名著万巻のススメ〔38〕
 「『般若波羅蜜多心経』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔52〕
 「犬、塊を逐う」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「岩盤打破」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 本堂の新築資金のために寺債を出したり富くじをしてもよいですか
質問2 葬儀で音楽を流したりお寺のカラオケ大会や御詠歌教室で音楽を使うと著作料が必要ですか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 住職や檀家が持つ株式を寺院が購入したり贈与される際の税務会計をお教えください
質問2 先代が寺院に多額の貸付金を残しているが死去したら相続税の対象になりますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「子守歌ならぬ親守詩に心が和み、いやされます」


 在俗の説法者〔153〕 「みんなに会いたいよ」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔57〕 「如来の罵詈雑言」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔68〕 「アナと雪の女王」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 仏教儀礼入門〔156〕 「仏教儀礼研究の現状」
  多田孝正
(天台学会元会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔144〕 「各宗派の故人を送る文――日蓮宗の引導法語」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔196〕 「明朝 意あらば 琴を抱いて来たれ」
  渡邉照敬
(真言宗智山派延命寺住職)


 いまどきマンガ説法〔33〕 「鬼の太鼓」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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