7月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2013年7月号の主な内容 (No.176)

[今月号の特集]

お寺の階段でケガしたのはお寺の責任だ!と訴えられた裁判の驚愕
世界遺産でもある京都市の真言宗醍醐派総本山醍醐寺が参詣した女性から約600万円の損害賠償を提訴された。その理由が「醍醐寺の階段で転んでケガしたのはお寺が安全管理を怠ったせいだ」というから他人事ではない。司法の判断次第では全寺院に影響は必至だ。


初の全宗調査① 宗門は「葬儀」をいかに位置付けて、指導しているか
葬儀の簡略化が深刻だ。伝統仏教各宗派は状況をどう捉えるのか。葬儀の位置付け、宗侶が葬儀を学ぶ場、葬儀で故人を称える方法など、各宗の見解を見よう。初回は臨済宗妙心寺派、曹洞宗、浄土宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派の5宗派を取り上げる。




各宗派の議会制度と運用の実際(3)――政策研究会や議員会派は宗門の改革に貢献しているか
浄土宗には宗議会議員がつくる4つの政策研究会があり、各々が切磋琢磨する伝統がある。一方、日蓮宗では2大会派が議席多数を獲得しようとしのぎを削っている。こうした政策研究会や会派は、宗門の最高議決機関である宗議会においてどんな働きをしているのか。両宗の例を見よう。



国や自治体が寺院と共に仕掛ける観光事業の目的と現状と問題
いま、全国各地でお寺を活かした様々な町おこしイベントが増えている。自治体と仏教会や寺院が共同で行っているものだが、推進の背景に国策があるようだ。でも当のお寺からは戸惑う声も出ている。現状と問題、行政と寺院の二人三脚のあり方を取材した。



東電に賠償19億円を訴える原告団の団長である住職の大悲憤
福島原発事故から2年半。いまなお約15万人が故郷を追われている。そんな中、東電を相手に避難者40人の先頭に立って裁判を続けている住職がいる。福島県楢葉町の浄土宗宝鏡寺の早川篤雄住職は福島に原発が建つ前から国を相手に原発の設置許可取り消しを闘ってきた。その身を挺する住職ルポ。



大人にも子供にも今こそ必要な教化のススメ……地獄絵説法でお寺大活況の秘訣
地獄の恐ろしさを説き、現世の行動を戒める。かつて地獄絵の絵解き説法は衆生教化と先祖供養を説く効果的な布教だった。現代に地獄絵を説いて活況する奈良・高野山真言宗長岳寺、神奈川・曹洞宗花應院、京都・臨済宗建仁寺派六道珍皇寺、京都・浄土宗西福寺の4カ寺の実践と人気のわけをリポート。



尼僧ゆえに差別されることはあるのか 性差別をなくすためにあえて本音を話してもらいました
一人の尼僧住職から「未だ尼僧は差別されている。それをみんな知りながら宗門も住職方も真剣になってくれません」という話を聞いた。本当なら由々しきこと。さっそく尼僧方にその本音を聞いた。



大挫折そして大震災にもめげず合気柔術でお寺の門戸を開く住職の粉骨砕身
檀家200軒の山寺の布教が注目されている。力を入れず相手を倒す「合気柔術」が“動く坐禅”として盛況なのだ。宮城県東松島市の臨済宗妙心寺派済興寺の中條眞堂住職が寺を守り門弟を育てるまでの苦難の道のりをたどる。



新連載第3回 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院住職のためなのかチェックしよう
【真宗大谷派】わが国に強制連行された“東アジア出身者”の遺骨はなぜ故郷に帰れないのか
【曹洞宗】宗門をあげて取り組んだ「差別戒名」改正30年余の現状
【浄土真宗本願寺派】宗務所職員の出張経費を削減する目的と方法と波紋



なかなか難儀なお施餓鬼の法話をする前に考えたいこと…竹林史博(曹洞宗龍昌寺住職)
餓鬼に施すと書いて施餓鬼。曹洞宗では施食会と改めたが、その内実は同じようだ。が、この法要に際しての説教はけっこう難儀だ。第一、餓鬼とは何かが難しい。古来より論争もある。どう説けばいいのか。先師に学ぼう。



大震災後の宗教者の役割…超高齢多死社会を見すえて(2)――いまなぜ「臨床宗教師」の養成が必要なのか…鈴木岩弓(東北大学教授)
東北大学が「臨床宗教師」の養成講座を設けて注目されている。未曽有の東日本大震災を経験する中で、宗教者の役割が改めて問われたものだが、そもそも「臨床宗教師」とは何なのか



第8回本誌「住職関心事アンケート」結果(2)
前号に引き続き、毎年恒例、本誌「住職アンケート」の結果を発表する。今回は「住職になって良かったか、悪かったか」「これから住職になる者に一番、言いたいことはなにか」の2問。住職にしか語れない金言が寄せられた。



[寺院・住職に直言提言]
小檜山博 (小説家) … 「それは他人のなかにあった」
宮崎学 (作家/評論家) … 「私と宗教」




[ショートルポ]
●大津波で流された人々を供養する観音様が盗まれた!(宮城県山元町の曹洞宗普門寺)●投資154億円の損失は証券会社のせいだと訴えた駒澤大学の主張は裁判で通ったか●千葉県・真宗大谷派恵光寺が「マンションの窓から宗派名ははずせ」と住民から訴えられた訴訟の行方





 [好評連載]

 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔27〕
 「釈尊への弟子入りが増えるにつれて何が起きたのか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔107〕
 「大地震で倒れた天皇の御寺の再建で分かること」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 本当の創価学会問題〔27〕
  
「創価学会の名誉会長自らが“邪教”とみなしていたはずのキリスト教の新法主に数珠を贈ったわけ」
  段勲
(ジャーナリスト)


 秘められた祈りの形講座〔98〕
 「チベットの象徴である活仏はいかにして選ばれるのか」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔10〕
 「人類が進化するためには宗教が必要だった本当の理由」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔4〕
 「『宗教団体』と『宗教法人』はどう違うのか」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 つっぱり和尚骨山日記〔175〕
 
 「葬儀のクライマックスになんとお茶が運ばれてきて、和尚怒り心頭に発し……」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔129〕
 「お芝居で心熱く出会いの大事を教えられました」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔19〕
 「わけの分からぬお経を聞くわけ」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔21〕
 「J・ケインズ著『一般理論』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔86〕
 「経済優先で原発を推進していいのか――日本はドイツより20年以上遅れる!?」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔31〕
 「不請の友」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 我他彼此二仏中間
 「余命宣言で『無縁』の本当の教えを知る」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「アンジーの選択」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔39〕
 
「イスラム国のインドネシアでいま議論されている『黒魔術禁止刑法改正案』の不思議」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 平松和也(弁護士)・ 長谷川正浩(弁護士)
  質問1 夫が出していないと勘違いして二重にした妻の寄付金は返すべきか
  質問2 これからの税務調査で寺院が準備することや見せてはいけないものとは


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 住職や寺族の老後の生活のために出す退職金を捻出する方法と税務
  質問2 困窮に苦しむ人々に寺院が贈与や支出等をしたさまざまなケースの税務





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「小学校の先生が頼りにする『朝の会』のネタ本」


 在俗の説法者〔132〕 「生き方と死に方」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔36〕 「主役端役みな人生」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔47〕 「本当の合同祭祀」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔135〕 「仏教の行道とは何か」
  多田孝正
(天台学会会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔123〕 「戦国武家の葬儀」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔176〕 「たとえどんなに離れていても空はつながっている 」
  田中治郎
(みち書房代表)


 いまどきマンガ説法〔12〕 「行水」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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