2月号画像
A5判・182頁・全頁2色刷
(表紙/手塚雄二 画伯)
2010年2月号の主な内容 (No.135)

[今月号の特集]

生きるためだけの仏教でよいか……山折哲雄(宗教学者)

世界一の長寿を実現する一方、自殺者が絶えない今の日本に釈尊がお出ましになられたら何を説かれるだろう。心にぽっかり空洞ができていやしないかと尋ねるかもしれない。碩学による刮目の提言の続編。


注目の最高裁判例! 破門した元住職を寺から退去せよと訴えた宗派敗訴の理由

新聞広告などで知られる「在家僧侶養成講座」に関わっていた住職が宗旨に反するとして臨済宗妙心寺派から破門された。だがその後も元住職は寺院から立ち退かない。怒った宗門は立ち退き訴訟を起こした。しかし、司法が下した判断は意外――宗門の敗訴同然だった。なぜか。

前住職の娘が生家の寺を焼き尽くしたのは後継者問題か?

衝撃的な事態だ。何と、亡き住職の娘が、生まれ育った東寺真言宗寺院に火を放ち、全てを灰燼に帰せしめた。「後継者が決まらなくて切なく、悲観してやりました……」と供述しているが、本当なのか。現地に取材した。


大震災から寺院の復興を志した住職が恐喝されたのはなぜか

阪神大震災から15年が経った。しかし、未だその被害に揺れているお寺がある。神戸市の浄土真宗本願寺派寺院だ。なんと復興を果たそうとした住職、その周囲から「騙された、詐欺だ、恐喝だ」と不穏な声が聞こえているのだ。刑事事件にまでもなった。一方でお寺が不動産物件のように扱われてしまった事態も重いのだ。


十三参りをお寺で始めてみませんか――少年少女布教の実践

大人への第一歩である13歳になったらお寺参りをし虚空蔵菩薩の祈願を――という十三参りの風習は、今日ではあまり行われていない。しかし、数少ない青少年布教の場として貴重な機会。実際に行事を行っている4カ寺を取材した。


世界平和を檀信徒教化の要に邁進する住職の不惜身命

世界平和を祈る唱題運動を始めて、何もない荒れ山に高さ26メートルの大仏舎利塔を檀信徒の浄財で建てた山梨県の日蓮宗住職。仏舎利塔には毎月100人、元日と建立祭には600人を超える檀信徒が集まる。その懸命の源は。


共産党のビラを配った住職が今も無罪を信じる訳

マンションに入り各家のポストに共産党のビラを投げ入れていた真宗大谷派住職が住居侵入罪で逮捕。第1審では無罪だったが、高裁、最高裁は有罪判決を下した。表現の自由を司法はどう裁いたのか。住職に直撃取材した。


痛みを排除する社会に人は生きられるか……斎藤環(精神科医)

自らの悩みを打ち明けずひきこもる人が増えている。しかし悩んだり心に痛みを感じることはそんなに隠さなければならないことなのか。この問題に関わる気鋭の精神科医の特別リポート。(昨年8月号の続編)


[徹底調査]

お寺の結婚支援が脚光の現実 結婚率低下に住職ができること

結婚率の低下は、お寺の存続にも影響を与える切実な問題だ。住職も積極的に縁結びに協力したいものである。実際、お寺で行われている縁結びイベントは期待が大きい。さまざまな結婚支援活動をする寺院を取材した。


各宗選挙倫理規定の特徴と現実(4)高野山真言宗と真言宗豊山派の場合――選挙活動が何ら禁じられていない宗派の実情

宗教者の選挙で賄賂がまかり通るなどあってはならぬこと。それを内規で禁止すること自体、好ましくない。そういう姿勢なのか、高野山真言宗には選挙の倫理規定も懲戒もない。真言宗豊山派の選挙規定もそれほど細かくない。これで選挙は大丈夫なのか。


[寺院・住職に直言提言]

辰巳芳子 (料理家) … 「大黒さんは料理上手であって欲しい」
黒鉄ヒロシ (漫画家) … 「私の中の宗教観」


[ショートルポ]

暴力団が関与した寺院乗っ取りの手口と恐怖/お地蔵さんとだるまさんで開かれたお寺興し/女子高生が考えたハイテクメモリー位牌の心



 [好評連載]

 お寺実践講座 「お寺にどれだけのお布施を納めているかで分かることは?」
  神仁
(全国青少年教化協議会主幹)


 仏凡不二を問う 「宗教的つながりが弱い地域ほど自死率が高い!?」
  釈徹宗
(兵庫大学教授・浄土真宗本願寺派住職)


 日本仏教実践思想論 「禅は日本仏教をいかに変革し得たか」
  島薗進
(東大教授・日本宗教学会会長)


 現代葬儀分析 「なぜ身内が枕団子を作らぬのか」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 中世寺院の実像 「お米の徴税権めぐる寺社の争訟」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 特別リポート・仏像ブームの真相(2) 「伝統宗教の新宗教も敵わぬ集金力の訳」
  島田裕巳
(宗教学者)


 つっぱり和尚骨山日記 「『この土地で散々稼いだんなら今度は返せ』と言われ」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分 「恥ずかし法事のダブルブッキングしちゃった」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 自然の説法お寺の庭づくり 「マンサクとロウバイ」
  白井昇
(日本造園組合連合会理事長)


 秘められた祈りの形講座 「直訴で処刑された名主が本尊となった因縁」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 我他彼此二仏中間 「僧侶たる者は〈表現〉する力を養うべし」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 色即是空の科学事始め 「新聞のテレビ欄が変わったわけ」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 医心仏心 「新しいうつ症状が増え続けている訳」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 仏心エコロジー説法 「手間暇かける生き方を」
  岡田真美子
(兵庫県立大学環境人間学部教授・日蓮宗寺院住職夫人)


 漢字仏教つれづれ行脚 「堪忍」
  興膳宏
(京都大学名誉教授)


 住職のための今月のことば 「カトリック」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法 律 相 談 …山田勝利 (弁護士) ・ 平松和也 (弁護士)

 税 金 相 談 …実藤秀志 (公認会計士・税理士)



[法話特集] 別冊付録


 お説教のタネ本 「俳句は師家と修行者が挨拶する仏心に通ずる」


 在俗の説法者 第91回 「母子心中の危機」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職)


 伝承説話の智慧 第95回 「孝か不孝か」
  亀井鑛
(真宗大谷派「同朋新聞」前編集委員・NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座 第6回 「人に寄り添う心」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門 第94回 「中国の仏教受容」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第82回 「帰ってくる死者」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第135回
  田中治郎
(文筆家)


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