[『月刊住職』 2014年8月号より転載]

仏教的伝統と人間の生 法藏館 13000円
浄土真宗研究で知られる大谷大学名誉教授、安冨信哉博士の古稀記念論集。「親鸞思想研究への視座」をテーマに教学から現代社会とのかかわりまで、国内外の研究者二十七人の論文を収録。



日本仏教と庶民信仰 五来重著 大法輪閣 2200円
日本に伝来した仏教は文化、芸能、社会など様々にとけ込んだ。その基盤を支えた名もなき遊行の聖に着目し、庶民信仰との交わりを探る。「無宿・放浪の仏教」「一遍と神祇信仰」他。



秋葉信仰の新研究 田村貞雄著 岩田書院 9900円
火難除け・火伏せの神として、全国の寺社に伝わる秋葉信仰だが、その内容はあまり知られていない。東海道を中心に広がる秋葉信仰の実態とその展開を歴史的に明らかにした研究論考。



墓と葬送の社会史 森謙二著 吉川弘文館 2400円
ムラや都市の墓地空間から、日本人の祖先観や家族のあり方の変遷が見えてくる。墓と葬送の歴史的展開を辿りながら、日本人の今後の課題を問う。



怨霊・怪異・伊勢神宮 山田雄司著 思文閣出版 7000円
古代・中世の社会に大きな影響を与えた怨霊・怪異思想とその諸相が、仏教や神道との関わりを視野に入れ考察される。「名誉回復と墓の整備」「古代伊勢神宮における仏教の影響」他。



運慶と鎌倉仏像 霊験仏をめぐる旅 瀬谷貴之著 平凡社 1700円
十二世紀から十三世紀にかけて、日本を席捲した運慶ブームの中心は鎌倉だった。神奈川県立金沢文庫の学芸員が、鎌倉の仏像を巡り仏教文化を辿る。



宗教的人格と教育者 松本晧一著 秋山書店 3200円
明治後期から大正期、禅仏教に深く関わった教育者とはどのような人だったか。西田幾多郎や鈴木大拙と親交のあった第十二代学習院院長の北条時敬を中心に近代の禅と教育を捉える。



宗教は人を救えるのか 釈徹宗著 KADOKAWA 860円
経済や生活、儀礼などを支える価値観に変化が起きている今日、生老病死の不変の悩みに仏教はじめ宗教はどう応えるか。比較宗教学者で大阪の浄土真宗本願寺派住職が論じる。新書判。



空海の思想 竹内信夫著 筑摩書房 840円
空海が入唐した時代とは、インドで生まれた密教が中国に伝来した時期でもあった。同地で得たものを、空海が遺した数々の言葉から探る。新書判。



親鸞 澤田ふじ子著 淡交社 1200円
〝京都・宗祖の旅〟シリーズ第二弾。浄土真宗の宗祖・親鸞。九十年に及ぶ生涯とその教えを、時代小説を手がける作家が縁の寺院を訪ねながら描く。



坐る 西村惠信著 禅文化研究所 1300円
臨済宗の中興の祖、白隠(1685―1768)による『坐禅和讃』は禅の教えが平易に説かれ、僧俗に親しまれている。全文と坐禅の目的を解説。



からだに効く坐禅 野口法蔵著 七つ森書館 1800円
著者は坐禅断食の指導を各地で行っている臨済宗妙心寺派僧侶。坐禅がいかに体質改善に影響を与えるかなど、坐禅の効能から、その教えまでを説く。



そよ風のように 土岐慶正著 富山新聞社 1800円
著者は富山県高岡市の浄土真宗本願寺派専福寺住職。地元の富山新聞に十六年間にわたって連載してきた一口法話を一冊にまとめたもの。水上悦子画。



阿修羅と大仏 菊地章太著 幻冬舎ルネッサンス 778円
仏像や仏画を見れば、仏教伝播の歴史と変遷が見えてくる。中宮寺や当麻寺など奈良の寺院に伝えられた仏像や仏画からその歴史を辿る。新書判。



釈迦とイエス 真理は一つ 三田誠広著 集英社 740円
仏教とキリスト教をひも解くと教祖に共通点がある? 作家がそれぞれの伝播の過程、時代背景をふまえながら、違いと共通点を解き明かす。新書判。



日本人の「地獄と極楽」 大角修監修 PHP研究所 700円
日本人に普遍的な死後の世界、地獄と極楽思想の源流は、源信の『往生要集』に辿られるという。死者の書としてのその世界観が解説される。文庫判。



後生大事に 父高田好胤のおしえ 高田都耶子著 芸術新聞社 1600円
著者は名説教で知られた法相宗大本山薬師寺の故・高田好胤住職の娘でエッセイスト。亡父に教えられた仏教の生き方を綴る。「遠き道を行く」他。



野菜のごちそうお寺の常備菜とおかず 松原真紗子著 大和書房 1200円
著者は東京の臨済宗妙心寺派寺院の寺族。常備菜、精進、おかず、サラダ、ディップ、ご飯、汁物など、野菜をふんだんに用いた七十八のレシピ集。





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