[月刊『寺門興隆』 2012年4月号より転載]

十三仏の世界 渡会瑞顕編 ノンブル社 7800円
日本人の追善供養の根本をなす十三仏信仰に注目して、成立展開の歴史から思想、現代的意義までを総合的に網羅した研究論考集。十三仏の表白や掛け軸、ご詠歌、霊場にも触れている。



浄土教思想史 梯信暁著 法藏館 2800円
インドで生まれ、中国、朝鮮、日本へと伝わった阿弥陀仏信仰。その思想の特徴と歴史的展開を分かりやすく解説する。「中国における浄土教教理研究の開始」「叡山浄土教の展開」他。



浄土と曇鸞 中国仏教をひらく 栗三直隆著 桂書房 1800円
中国で初めて他力信心を説き、浄土五祖の第一と知られる曇鸞は法然、親鸞へと続く日本の浄土思想に大きな影響を与えた。浄土真宗本願寺派住職が、縁の地を訪ね、生涯を明らかにする。



江戸時代の遊行聖 圭室文雄著 吉川弘文館 1700円
江戸時代、なぜ遊行聖は民衆に熱狂的に受け入れられたのか。布教方法から収入の実情、全国廻国のルート、各地の大名の対応、当時の人々が遊行聖に求めたものなどが明らかにされる。



生老病死の図像学 加須屋誠著 筑摩書房 1800円
日本人は生老病死の四苦をどのように捉えてきたのか。仏教教理を図像化して説いた仏教説話画から中世の人々の死生観・宇宙観を読み解く仏教美術論考。「病の三態と『病草紙』」など。



仏教と平和 思文閣出版 1500円
韓国の大学で「仏教と平和」をテーマに開催された国際仏教文化学術会議を収録。仏教を基盤にした平和へのアプローチを日韓両国の研究者が探る。



日本人の死生観を読む 島薗進著 朝日新聞出版 1400円
近代以降、日本人の死生観はどう変化したか。武士道的死生観がもてはやされた日露戦争から、太平洋戦争の特攻、映画『おくりびと』ブーム、東日本大震災後までを宗教学者が読み解く。



宗教と現代がわかる本 2012 渡邊直樹編 平凡社 1600円
特集「大震災後の日本人の生き方」。東日本大震災と原発事故を受け、日本社会においてこれから宗教者に期待される役割とは何か。被災地からの報告や研究者の対談等でその可能性を探る。



ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ 集英社インターナショナル 1300円
コンピューターを通じて、現代人の生活に革命を起こしたアップル創業者S・ジョブズが曹洞宗の乙川弘文老師との出会いで得た禅的思考を描く米国人気漫画(原作C・メルビー)の邦訳。



天災人災格言集 平井敬也著 興山舎 1500円
 「災害はあなたにもやってくる!」が副題。いのちを守る最も大切な教えが込められた、宗教者や思想家、政治家など古今東西の防災名言百十二を防災士が紹介する。



空海さんに聞いてみよう 白川密成著 徳間書店 1400円
副題は「心がうれしくなる88のことばとアイデア」。四国八十八カ所札所寺院の青年住職が、落ち込んだり悲しい時に効くとして、空海の言葉を紹介。



苦しみはどこから生まれるのか? 池口恵観著 角川書店 724円
一流のアスリート選手から政治家までが師と仰ぐ鹿児島県の高野山真言宗最福寺住職が、自らの経験に基づき逆境を乗り越える智慧を説く。新書判。



絶望しそうになったら道元を読め! 山田史生著 光文社 740円
曹洞宗開祖の道元が著した『正法眼蔵』の「現成公案」に着目し、そこに込められた禅思想のエッセンスと、道元のメッセージを読み解く。新書判。



わたし、住職になりました 三浦明利著 アスペクト 1400円
お寺の娘に生まれ、二十五歳で生家の浄土真宗本願寺派寺院に晋山。シンガーソングライターとしても活躍する若き女性住職がこれまでの歩みを綴る。



もし、生きることに悩んでいるなら 藤波源信著 廣済堂出版 1300円
著者は十七歳で得度後、天台宗僧侶として修行を重ねるも還俗し、会社員を経て再び僧侶となり千日回峰行を成満した住職。困難に向き合う心を説く。



寺社の装飾彫刻 若林純撮影・構成 日貿出版社 4500円
技巧の粋をこめた寺社の装飾彫刻、宮彫り。全国百十一カ寺社、約七百五十点に及ぶ厳選彫刻作品の写真が一冊にまとめられた。解説は伊東龍一他。



京都の古寺 庭を読み解く 白幡洋三郎著 淡交社 2000円
お寺の庭は何を表現しているのか。国際日本文化研究センター教授が、東西本願寺や東寺など京都三十カ寺の庭に込められた思想を読み解く庭園論。





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