4月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2014年4月号の主な内容 (Vol.477)

[今月号の特集]

他人事ではない! 寺院財産の所有権めぐりお寺と檀信徒会が争う前代未聞
驚く事態だ。埼玉県の天台宗寺院の檀信徒会が住職に無断で一般社団法人になり、境内も本堂もすべて「一般社団法人○○寺檀信徒会」の財産として法人登記した。目下、その宗教法人と一般社団法人檀信徒会との間ではいくつもの裁判が争われ、訴訟の巣のようになっている。何があったのか。


地目が「境内地」なのに区有地とされた土地の奪還訴訟
東京都内で真言宗豊山派寺院と区がなんと「境内地」の所有権を争うとんでもない事態が起きている。問題の土地は地目が「境内地」なのに、なぜか国有となり、さらに区有地となった。しかも旧来よりそこには墓碑十数基すら建つのだ。なぜこんなひどいことになったのか。裁判の現況を取材した。



境内建物でも「宗教指導者以外の者が住むなら課税だ」という当局との攻防
宗教法人が自らの宗教活動の用に使う施設に固定資産税はかからないはずだが、住む者が僧侶や神職でないと境内建物でも課税されるという事態がおきている。都税事務所と神社庁とのなまなましいやりとりを公開しながら、当局の考えと対応が正しいのかをリポートする。



寺院護持檀信徒会特集…どんなお寺も寺檀活性化の基盤には護持会活用がある!
戦後、寺院運営の基盤を失ったお寺のために宗門は護持会の結成を呼びかけた。今、それが再評価の時を迎えているという。千葉県・浄土真宗本願寺派天真寺、兵庫県・浄土宗通照院、埼玉県・曹洞宗金泉寺の実践を取材して護持会の効果が明らかになった。



釈尊降誕会を必ず成功させる実践方法 少子化にも負けない全国6カ寺に学ぶ
花まつりに子供が集まらないという悩みを聞く。やめてしまうお寺も多いようだが近年復活させたり、工夫で参詣者を増やしているお寺がある。静岡県・臨済宗方広寺派正光寺、大阪府・浄土真宗本願寺派西福寺、栃木県・浄土宗法蔵寺、青森県・曹洞宗大安寺、埼玉県・真言宗智山派十輪寺、広島県・浄土真宗本願寺派龍仙寺の実践と秘訣とは何か。



人口が減り続けても参詣者が増えているお寺の青年住職のすごい求心力!
どんな状況でも檀信徒や地元の人々に喜ばれるお寺にしたい。人口が減り続ける漁港、千葉県勝浦市の日蓮宗妙海寺に24歳で入った佐々木教道住職の思いが定まった12年間の歩みは寺院のすばらしい可能性を確信させる。



幽霊はなにゆえに生者の前に現れるのか・・・佐藤弘夫(東北大学大学院教授)
幽霊ほど日本人の死生観を示すものはないという。幽霊がなぜこの世に現れるのか、その答えは生者と死者の関係の変遷にあった。その変遷を知ることで、日本人の死生観の変化も見えてくる。



最新の葬儀アンケートで分かった葬儀費の大暴落!?
一般財団法人日本消費者協会の「葬儀についてのアンケート調査」の結果がこのほど発表された。報告書で判明したのは、わずか10年ほどの間に葬儀にかかった合計平均額は48万円も下がり、地域によっては160万円も暴落していることだった・・・・・・。お布施はどうか。



ハクビシンやアライグマ、シカなどの動物による被害からお寺を護る方法
ふと、天井を見上げると昨日までなかったところに大きな穴が! 大切な寺宝が傷だらけ! なんてこと、自坊には関係ないと考えるのは大間違い。山沿いの寺社のほとんどにアライグマが入っていたという専門家の報告もある。どんな対策をすればよいのか。



仏像の面相(仏顔)のすげ替えが著作権侵害とされた判決の検証・・・大家重夫(久留米大学名誉教授)
先代が仏師に依頼して作った仏像の顔に違和感を感じたら住職はどうすべきか。現住職は十一面観音立像の制作にかかわった仏師の一人に修正を依頼したが、これが著作権の侵害だと裁判になったのだ。寺院も留意すべき知的財産権とは何か。



好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【真言宗智山派】10年ぶりの宗費値上げ案の可決が極めて僅差だったわけ
【真宗大谷派】宗門役員も各寺院の総代も女性を増やそうという会議の立ち上げ
【曹洞宗】宗憲で「寺族」の定義と「寺族」とされる要件を改正した理由



[寺院・住職に直言提言]
安部龍太郎 (作家) … 「ある修行者への返信」
池田香代子 (ドイツ文学翻訳者、口承文芸研究者) … 「ソチに見た虹」




[ショートルポ]
●真言宗御室派住職が15歳下の妻を殺めたのは貧しさゆえだったのか●開山以来初めての豪雪で閉ざされた1週間で寺院には一体何が必要だったのか●「命懸けで高台の寺へ駆け上がれ!」を忘れないための新たな節分行事「韋駄天競争」とは何か(釜石市日蓮宗仙寿院)●行政の埋蔵文化財の扱いに一石を投じた名刹(鎌倉市安国論寺)の鉄瓶問題





 [好評連載]

 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔116〕
 「寺領争いが宗門(本山)の指導権抗争になった史実け」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 今からの宗教酔眼千里眼〔6〕
 「日本人と現代仏教の位相(6)」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 パーソナルブッディズム〔18〕
 「寺門が興隆しなくてあたりまえと思う」
  小池龍之介
(正現寺住職)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔8〕
 「仏像に合掌できなくなった若者の増加と家仏壇の関係」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔36〕
 「バラモン青年が殺人鬼と化したアングリマーラの話」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 秘められた祈りの形講座〔105〕
 「日本人の死後のイメージを決めた十王信仰とは何か」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 本当の創価学会問題〔35〕
 「池田大作名誉会長の提言と公明党のしていることとどっちが本当の顔なのか」

  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔19〕
 「仏教国タイが国家統治に仏教の正法を利用する現実と限界とジレンマ」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔12〕
 「住職も無縁でない犯罪捜査の法規」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 つっぱり和尚骨山日記〔184〕
 
 「廃品回収業の面倒な依頼を受けたのは善人住職のふりだったのか? それとも…」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔138〕
 「NHKが”おもてなし”で幼稚園に撮影にやって来た」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔28〕
 「おばけっているんでしょうか?」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔30〕
 「鈴木大拙著『日本的霊性』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔95〕
 「地震予知の騒動に学ぶこと――起こるか起こらないかだけが問題ではない」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔40〕
 「迦陵頻伽の声」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「代作の時代」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔48〕
 「ソチ五輪がイスラムテロのために史上最も危険な開催といわれた事実」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 平松和也(弁護士)・ 橋口玲(弁護士)
  質問1 預金を自分の葬儀代として寺に納めた後で生活保護は受けられるか
  質問2 上流で水を管理する組合が寺に池の水使用料を求めてきたらどうするか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 海外で仏像や寺院で使う絨毯等を買ったらお店で「申告は不要」といわれたが問題ないか
  質問2 宗教法人の各種書類や会計帳簿はいつまでどのように保存すべきか





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「幼きより繰り返し聞かされた母の言葉に習う」


 在俗の説法者〔141〕 「これでいいんだよね」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔45〕 「元首相の陳謝」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔56〕 「雪かきの中の涙」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 仏教儀礼入門〔144〕 「合掌の仕方と心」
  多田孝正
(天台学会元会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔132〕 「今こそ寺院葬を!」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔184〕 「自らを信じよう」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


 いまどきマンガ説法〔21〕 「唯我独尊」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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