2月号画像
A5判・192頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2013年2月号の主な内容 (No.171)

[今月号の特集]

養父の前住職と養子の現住職が法廷で争う不幸の元は何か
こんなはずじゃなかったと養父である老僧の心は後悔の色に染まっているに違いない。都内の浄土真宗系単立寺院で住職交代に際して養父の前住職と養子の現住職の間で訴訟が何件も起きているのだ。1億円を超える退職金も争いの原因か。対岸の火事ではない!


10大宗派調査② 各宗派の歳出に占める人件費と管理費の割合は適正か
わが宗の予算はどのように使われているか。第2回は気になる人件費と管理費を見よう。不況が続く中、5年前と比べ上がっているのか削減しているのか。各宗の宗議会開催にかかる額や前号と今号で比較した項目の全順位も発表。



業者と寺院が企てる霊園開発事業が利権争いとなる当然の帰結!?
首都圏の真言宗豊山派寺院は墓地の管理権をめぐり開発業者と10年におよぶ法廷闘争を続けている。業者と交わした当初の契約内容にそもそもの火種があったようだ。これら裁判の事実とともに、専門家が作成した寺院のリスク回避のための「墓地事業契約合意書」の文案を紹介する。



動物供養がなぜ宗教行為とされずに課税なのか
関東地方の浄土宗寺院は動物霊園への固定資産税等の課税取り消しを求めて裁判に訴えた。これまで司法は「民間業者と競合だから課税」「歴史が古いから宗教行為と認め非課税」と揺れた。今回はどう判断したのか。注目の動物供養判決3例目。



節分の豆まきは危険だという声にお寺はどうすればいいのか?
2月になると各地で行われる節分の豆まき。お寺に親しんでもらえる絶好の行事だ。ところが最近「危険だから」と豆をまくのをやめる寺社も増えていると聞く。そこで、法相宗大本山興福寺、華厳宗大本山東大寺、真言律宗元興寺、真言宗智山派大本山成田山新勝寺と平間寺(川崎大師)、日蓮宗大本山池上本門寺、浄土宗大本山増上寺に伝統行事を守り安全に続けるための工夫を聞いた。



寺を出た前住夫人が寺を相手に巨額退職金を求め提訴した訳
千葉県の曹洞宗寺院で5年におよぶ寺檀の争いが和解決着。30代住職のもと新体制が整い始めた矢先、新たな裁判沙汰が持ち上がった。亡き前住職の夫人がお寺を出た後、退職金等の未払い金を求めてお寺を訴えたのだ。寺はどう応じたか。



震災宗教施設の再建に公的支援は可能か…津久井進(関西学院大学災害復興制度研究所研究員・弁護士)
東日本大震災で8000を超す宗教施設が被災したが、再建は進んでいない。のみならず、それ以前の震災でも宗教施設は被害を受けた。その復旧に公的支援は可能か、いま論議を呼んでいる。市民目線で災害法に注目する法律家のきわめて重要な報告。



東日本大震災からの出発として災害天罰論の本質に迫る〔2〕…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)
東日本大震災に何を学ぶべきか。こう言ったら、被災者は身の置き所もなく憤慨するだろう。被災者は他の人のために被災者となったのではないからだ。誰にでも起きる災害に宗教はどう向き合うべきか、前号につづき問いかけたい。



大特集 どんな活動をすると住職は叙勲や褒章を受けられるか
国から賜る叙勲や褒章。周囲の住職が受章し、お祝いした経験をお持ちの方も多いだろう。だが、その仕組みはあまり知られていないのではないか。平成24年秋に受章した日蓮宗真養寺の染山教潤住職、曹洞宗金昌寺の内田得栄住職、曹洞宗顕光院の木村自佑住職、浄土宗蓮光寺の中村瑞貴住職、天台真盛宗西念寺の市川隆成住職の5人の活動を取材した。



ワンコイン修行と銘打ち地域の絆を深める住職の道心
檀家100軒もない農村寺院が輝いて見える。住職家族が一丸となり門戸を開放した坐禅会や写経会などさまざまな催しに地域の人々が集まるのだ。岐阜市の曹洞宗林陽寺、岩水龍峰住職。その布教を名付けて「ワンコイン修行」という。



猫が描かれている涅槃図といない図とがあるのはなぜか…竹林史博(曹洞宗龍昌寺住職)
2月15日の釈尊涅槃会が近づくと、素朴な疑問がおきる。祀った涅槃図になぜ猫がいないのかと。しかし聞くところによれば、猫を描いた涅槃図もけっこうあるという。それもなぜなのか。涅槃図研究に勤しむ和尚の答えとは?



お寺の庭づくり指南〔2〕 お寺の庭を優秀な造園技能士に依頼する手順と費用…白井昇(日本造園組合連合会理事長)
参拝者から喜ばれる、お寺にふさわしい庭はどうしたら作れるか。それには長年の経験に裏打ちされたプロの技が不可欠といえよう。では、その技を引き出すための秘訣はあるのか。庭師のトップが「プロの庭師(造園技能士)への上手な依頼のしかた」を直伝する。



第3回「宗教文化士」認定試験の全51問と解答
若者に宗教の素養を高めてほしいと発足した、宗教の基礎知識を問う新資格「宗教文化士」の第3回認定試験が先ごろ行われた。合格者の声を聞くと、お寺にも関係がありそう。その全問題と解答を一挙掲載(15頁)



[寺院・住職に直言提言]
志茂田景樹 (作家) … 「罰当たりな塾でみんな夢を描いた」
伊藤比呂美 (詩人) … 「近所のお寺の坐禅会」




[ショートルポ]
●真言宗醍醐派寺院の僧侶が実の師父と弟に対し労働審判を申し立てた訳●石川県加賀市民も飛行機も深刻な73メートル観音像の航空法違反問題●神奈川県綾瀬市8カ寺と和歌山県美浜町・浄土真宗本願寺派三宝寺の災害時対応策





 [好評連載]

 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔23〕
 「不殺生戒を正しく理解するための『命』と『いのち』」
  奈良康明
(仏教学術振興会理事長・駒澤大学名誉教授)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔22〕
 「出家した弟子たちに釈尊が説いたゴールとは何か」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔102〕
 「山伏が広く東西に活躍できたのはなぜか」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 本当の創価学会問題〔22〕
 「宗教心を煽って選挙活動に変質させてしまう教団とはいったい何なのか」

  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔5〕
 「『統一教会』がいう“地上天国”を信じた日本人女性は韓国でどうしているか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今からはじめる未来の住職塾〔4〕
 「お寺に眠れる無形の価値を可視化しよう」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長/浄土真宗本願寺派僧侶)


 つっぱり和尚骨山日記〔170〕
 
 「愚者の道を行くしかないという和尚にしてお布施の額を言うようになった訳は?」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔124〕
 「妻帯仏教という本を当の寺族が読んで思ったこと」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔14〕
 「たかが樹木葬と侮るなかれ」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔81〕
 「お天気は変えられるものか―雨乞いの祈?から『印象のバイアス』まで―」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔26〕
 「愛欲の海」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 我他彼此二仏中間
 「誕生日を祝う心と命日に人をしのぶ心と」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「月の力」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔34〕
 「パレスチナを国連に押し上げたエジプト民衆革命の力は本当か」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 平松和也(弁護士)・ 橋口玲(弁護士)
  質問1 業者が境内で発見した小判や物置にあった他寺名の古文書の所有権は?
  質問2 寺有地の登記簿が「A寺」と「宗教法人A寺」の二重登記となっているが


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 お寺で運用している金融商品や株で生じた損失の税務処理方法は?
  質問2 課税証明書や納税証明書は何に使い宗教法人でも必要なことがあるのか





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「身を削る勝負に生きる棋士の寸鉄人を刺す!」


 在俗の説法者〔127〕 「瓦葺き職人の最期」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔31〕 「真の愛国心」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔42〕 「一人でいる力」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔130〕 「弾圧された中国仏教―三武一宗の法難―」
  多田孝正
(天台学会会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔118〕 「頂相の登場」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔171〕 「ノーベル賞は私にとって過去形になる(山中伸弥)」
  田中治郎
(みち書房代表)


 いまどきマンガ説法〔7〕 「周利槃特」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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