6月号画像
A5判・188頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2012年6月号の主な内容 (No.163)

[今月号の特集]

大震災で全壊161カ寺超に各宗派は何をしているのか
東日本大震災で被災した寺院は2400カ寺を超える。果たして再興できるのか。人は寺院を、祈りの空間を、祖霊安住の場を望んでいる。しかし檀家も被災し、宗教法人には行政の助成もない。頼りになることの一つが宗派からの義援金と支援だ。各宗派の取り組みを取材した。


創価学会に狙われた真言宗智山派寺院の土地問題の危機
関東にある真言宗智山派寺院が不動産業者に「お寺の土地を売ってほしい」といわれた。住職も信徒も乗り気になったが買い主を知って仰天。なんと創価学会だったのだ。この一件をめぐり住職辞任問題にまで波及した。なぜか。



宗門揺るがす判決① 真宗大谷派と本願寺維持財団の200億円争訟のその後
200億円は教団のものか、それとも宗派離脱した大谷家のものか。戦後30年以上の長きにわたって続く東本願寺紛争の最終決着を賭けた裁判の判決が先ごろ京都地裁で言い渡された。勝敗は?



宗門揺るがす判決② 臨済宗妙心寺派が訴えられた納骨堂建設損害賠償に司直の裁き
「総額25億円の納骨堂建設事業を妨害された」と葬祭大手が臨済宗妙心寺派と同派寺院を訴えた事件。業務提携契約をめぐる争点はどのお寺にも教訓的だ。裁判長の判断は?



厚生年金加入の強化策で宗教法人は怖い目にあうのか
檀家の勧めで厚生年金に入ったものの、負担が厳しく困り果てた住職がいる。意を決し「抜けたい」と申し出たところ年金事務所の職員から信じがたいひどい言葉が……。全国どこの住職にも無縁ではない厚生年金問題を取材。



墓地が政争の具とされかねない時代となる!?
「墓地、埋葬等に関する法律」が改正され、今年4月1日に施行された。墓地の許認可権をこれまでの県単位から市長・区長に移譲する改正だが、寺院墓地にもかなり影響を及ぼすと懸念されている。なぜ今、改正なのか。



地域寺院で七福神めぐりを開創して大成功させた人情住職
地域の7人の寺院住職が協力して創った「甲斐西八代七福神」が人気を集めている。事務局を務める山梨県西八代郡市川三郷町の高野山真言宗薬王寺、小野芳幸住職に成功の秘訣を聞いた。小野住職はお寺の環境を生かせる里親にも力を入れる。



山門の大わらじ一体何のためにあるのか、一体誰が作るのか?
山門についたとき、大きなわらじに迎えられると心が和む。でも、一体なぜ大わらじなのか。誰が作るのか。素朴な疑問を抱いて各所を訪ねると、意外な事実が分かった。全国7カ寺初めてのルポ。



手話で正しい仏教伝道を始めよう
聴覚に障害のある人にも、じかに仏教を伝えたいと浄土真宗本願寺派が作った仏教手話表現集『手話で表す仏教用語』、みんなでチャレンジしよう。



日蓮宗「地域社会のお寺活用アイデア」コンペの入賞作
過疎化寺院対策として日蓮宗が企画したのは民間から寺院活性化のアイデアをコンペ形式で募ること。これが予想以上の反響で、400を超えるアイデアが寄せられた。その大賞および受賞作は。



震災で問われた死者と生者を繋ぐ宗教者のグリーフケア…神仁(全国青少年教化協議会主幹/臨床仏教研究所上席研究員)
「あのとき私も一緒に流されていれば……」。避難所でよく聞かれた言葉だという。東日本大震災から1年が過ぎても、被災者の悲しみや不安の日々は続いている。そうした人々に宗教者は何ができるのか。



住職や僧侶にとって寺子屋とはなんだったのか!?…梶井一暁(国立大学法人・鳴門教育大学准教授)
寺子屋といえば誰もがある程度のイメージを描くことができるだろう。しかし成り立ちや実態はほとんど知られていないのではないか。今こそその史実と営みに光を当てたい。



第7回本誌「住職関心事アンケート」結果(3)
前号に引き続き、本誌恒例の第7回「住職関心事アンケート」の結果をご報告しよう。今回は「住職が2011年読んだ本の中で最も印象に残った3冊」。寄せられたご回答はいずれも興味深い。



[寺院・住職に直言提言]
多湖輝 (心理学者) … 「私にとってのお寺」
山本コウタロー (フォークシンガー/白鴎大学教授) … 「天国はないと想ってごらん」




[ショートルポ]
● 大本山増上寺の大門はいったい誰のものか!? ● ロンドン五輪の馬術競技日本代表は長野県曹洞宗広福寺の佐藤賢希住職 ● 天台宗善光寺一山・玄證院の宗派離脱の波紋 ● 僧堂放火で服役した修行僧への宗門赦免理由

[青年会よ!何でもやろう!何でも言おう!]
第20回 「福島の園児に積み木を」/全真言宗青年連盟




 [好評連載]

 今なお寺院をとりまく法律的暗雲〔4〕
 「社寺領上知の政府方針と実際の収奪」…池谷四郎



 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔15〕
 「仏教を生活文化としてとらえる必要があるのはなぜか」
  奈良康明
(仏教学術振興会理事長・駒澤大学名誉教授)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔15〕
 「釈尊が中道を正しく理解できるように苦諦を説いた本当のわけ」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔94〕
 「自然災害の復興を指揮したのは僧侶たちだった」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 本当の創価学会問題〔15〕
 
 「元公明党副幹事長にして創価学会在籍40年なのに福本潤一氏が離党脱会した真意」
  段勲
(ジャーナリスト)


 今こそすべき現代葬儀詳細分析論〔40〕
 「関西の方が葬儀のサービス化が早かったのはなぜか」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 秘められた祈りの形講座〔90〕
 「お寺に俳句の碑や詩歌の碑が多く建つのはなぜか」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔18〕
 「恩愛の奴」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 つっぱり和尚骨山日記〔162〕
 
 「本堂修復落慶法要を目前にして『寺、出て行きますッ』と和尚、大ボーハツの顛末」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔116〕
 「お寺の中が遺骨でいっぱいになったらどうしよう」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔6〕
 「ブッダは女性を差別したか?」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔9〕
 「慧遠『沙門不敬王者論』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔73〕
 「同調心理に流されないように」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 我他彼此二仏中間
 「日本発『新・自殺論』を今なぜ書かねばならないのか」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「シェールガス」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔26〕
 「仏教国タイでなぜイスラム教徒がらみの暴力事件が絶えないのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 橋口玲(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 住職亡きあとは寺族として長年勤めた私は何もなく寺を去るべきか?
  質問2 自然災害で寺に避難して来た者の生死に関して住職の法的責任は?


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 ネットに各種供養料を掲載し参詣者を募りたいが税務上問題あるか?
  質問2 なぜ消費税を上げるのか? 寺院にはどんな影響があるのか?





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「戦後日本経済を支えた仏教徒・土光敏夫さんの箴言」


 在俗の説法者〔119〕 「春の合宿一泊二日」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か〔23〕 「『君の名は』の答え」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔34〕 「心の応急手当て」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔122〕 「盂蘭盆会の始まり」
  多田孝正
(天台学会会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔110〕 「頼朝が死んだ謎」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔163〕
 
「随処作主 立処皆真 随処に主となれば、立つ処皆真なり(『臨済録』)」
  田中治郎
(みち書房代表)



Copyright (C) 2006-2012 kohzansha. All Rights Reserved.