11月号画像
A5判・184頁・全頁2色刷
(表紙/手塚雄二 画伯)
2010年11月号の主な内容 (No.144)

[今月号の特集]

特集 無縁社会に住職が奮闘中
年間3万2000人が孤独死しているという病んだ現代社会。「無縁」現象が今、日本中で進行している。そんな今こそ住職が立ち上がる時だろう。民生委員の住職やNPOで活動する僧侶、無縁死した人を看取った住職らに率直な本音を語ってもらった。


新連載第1回 葬式仏教は本当に間違いなのか…鈴木隆泰(山口県立大学大学院教授)
「釈尊は葬式を否定したのになぜ日本は葬式仏教なのか。僧侶は葬式をすべきではない」などという人がいるが、本当に釈尊は葬式を否定したのか。大乗経典研究者の新たな葬式仏教正当論。



前代未聞の事件!
高知県の天台宗寺院に二人の檀家が遺骨を預けた。二人は「墓地ができ、埋葬されていると思ったら、遺骨が行方不明になった」と訴えた。いったい本当なのか。損害賠償要求額は二人あわせて約4500万円。裁判所はどう判断したのか。



お東紛争は終っていなかった!?
真宗大谷派が財産返却を求め本願寺維持財団を提訴 この7月、真宗大谷派は宗派を離脱した前門首の次男が理事長を務める本願寺維持財団に、不当利得した200億円を返せと提訴した。争いの本質は? 宗派は財産を取り戻せるか?



檀家2000軒超の大刹で工費約7億円の本堂新築計画が頓挫した真相
責任役員会も総代会も賛成しているのに、築260年の本堂の新築ができない真言宗智山派寺院が茨城県にある。一人の総代が反対し、寄付をしないよう呼びかけたことから反対運動は拡大。計画は暗礁に乗り上げた。本堂が倒れる危険だってあるのに、なぜ檀家は反対しているのか。その真相は?



今年ノーベル賞を受賞した劉暁波氏が語る宗教弾圧への抗議
中国の作家で民主運動家の劉暁波氏は現在、投獄中だが、共産党の独裁下で弾圧される宗教にどのようなことを述べているのだろうか。その言葉に耳を傾けよう。



医僧住職が開いた小さな診療所が開設2年で心と命の拠点になっている
福井県鯖江市の真宗大谷派円立寺の傍に一昨年、小さな診療所が開かれた。開いたのは同寺の住職で、箱庭療法などを使って不登校の子供たちに寄り添っている。その現状をルポルタージュ。



荒れた寺と庭を30年かけて住職夫婦で甦えらせた仏道とは
新潟県村上市の曹洞宗普済寺の庭園が人々を魅了している。30年前、荒れ果てたお寺に新婚で入った住職夫妻が懸命に整備してきたのだ。2人が結婚を決めた時、故・宮崎奕保禅師に「せっかく出家した者が、なぜ在家に戻るのか」と問いかけられたことが大きかった……。



故郷に新寺建立を目指して托鉢をするブラジル人住職
言葉も分からずに僧侶になりたい一心でそれまでの生活を捨てて来日し、愛知県の曹洞宗正泉寺の住職になったブラジル人がいる。その夢は、故郷で新寺建立し、曹洞禅をブラジル人に広めること。その異色をルポ。



連続講座第2回 寺院建築風の火葬場がなぜ姿を消しているか…武田至 (一般社団法人火葬研副会長)
火葬場といえば寺院を模したものというのが常識だった。堂内には必ず仏様があった。しかし次第に宗教施設とはいえないような火葬場も建てられている。その訳は?



[徹底調査]
堂内や境内を掃く「ほうき」を見直す
「最近、質の悪いものが増えた」という住職の声を聞く。かつては日本中で作られていた「ほうき」も、いまやほとんど輸入品だ。だが、丹精込めて作っている職人もおり、津軽塗で金糸を使った100万円の「ほうき」もある。お寺にいい「ほうき」とは?


青年会よ! 何でもやろう何でも言おう(第6回) 高野山真言宗備中青年教師会




[寺院・住職に直言提言]
黒井千次 (小説家) … 「祖母の世界と孫の領域」
荻原博子 (経済ジャーナリスト) … 「混迷の時代に仏心を!」




[ショートルポ]
真言律宗大本山貫主が下駄を手に役僧に忿怒した訳/高麗版大蔵経を蔵する3カ寺が韓国テレビ局の取材を拒否したのはなぜか/愚痴聞き観音と詐欺封じ観音が大受


 [好評連載]

 創価学会解体新書
 「排他的独裁的と評される教団が民衆宗教を標榜する訳」
  丸山照雄
(宗教評論家)


 住職・寺族のための医心仏心
 「喫煙は女性にガンを増やし男性にも自殺を増やすって本当か」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 日本仏教実践思想論
 「末法を国難として日蓮が説いたこと」
  島薗進
(東京大学教授・日本宗教学会会長)


 仏凡不二を問う
 「葬儀やお布施論議に僧侶はどのように向き合うべきか」
  釈徹宗
(相愛大学教授・浄土真宗本願寺派住職)


 お寺活性化講座
 「参禅と太鼓で世代間リレーに成功した子ども会(愛知県・曹洞宗潮音寺)」
  神仁
(全国青少年教化協議会主幹)


 中世寺院の実像
 「日本仏教が律への関心を失った史実」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学教授)


 つっぱり和尚骨山日記
 
 「住職になって28年、ついに初めて遺影のない理想の葬儀ができました」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記
 「檀家さんが来たら躊躇なく庫裡に上がってもらえますか」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 我他彼此二仏中間
 「癌の宣告を受けました」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 色即是空の科学事始め
 「なぜ生物に雄と雌があるのか」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 寺の庭づくり
 「最近人気の高い樹形の美しいイヌマキとアスナロの育て方」
  白井昇
(日本造園組合連合会理事長)


 漢字仏教つれづれ行脚
 「言語道断」
  興膳宏
(京都大学名誉教授)


 住職のための今月のことば
 「現状維持」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 68億人の宗教トレンド
 「幾多の危機を乗り越えてあるインドネシア・バリの人々の信仰」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 秘められた祈りの形講座
 「丑の刻に藁人形を釘で打ち付ける呪いが行われた理由」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 税金相談 … 実藤秀志(公認会計士・税理士)
 質問1 副住職が始めたNPOにお寺が寄付しているのですが税務上の問題はありますか
 質問2 住職仲間でバザーやネット販売をしているのですが申告の必要はありますか


 法律相談 … 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
 質問1 仏教会会則や仏教会檀信徒総代会会則に不備や問題はありませんか
 質問2 境内地が亡き先代の名義になっているのですが相続人がいてもお寺名義に戻せますか


 寺院諸施設建築施工ファイル
  神奈川県・曹洞宗大長寺と栃木県・天台宗龍泉寺の建築ファイル


[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「老いを愉しむ言葉」


 在俗の説法者 第100回 「刺青が消える日」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か 第4回 「われを泣く」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座 第15回 「『愛してる』が言えない」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門 第103回 「在家に何を説いたか―インドから中国へ―」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第91回 「挽歌から哀傷歌へ」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第144回
  田中治郎 (文筆家)



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