7月号画像
A5判・180頁・全頁2色刷
(表紙/牧進 画伯)
2009年7月号の主な内容 (No.128)

[今月号の特集]

後任紛争の大刹に特命住職を派遣した宗門の強権根拠

檀家1000軒余の本門佛立宗の大刹で後任紛争が起きた。裁判では両者和解の道を選び、住職は無事決まった。が、なぜか新住職は「統理不適任」とされ、宗派の特命住職が派遣されたから周りのお寺も仰天。「宗門の不当介入」という声も出ている。


仏様のお顔を作り替えたら仏師の遺族に訴えられた!

先代住職が建立、安置した仏像のご面相に檀信徒が異議を唱えたら、ご住職はどうするだろう?東京都内の浄土宗寺院住職は迷った末にお顔を作り替えた。とたんに、「著作権侵害だ」と仏師の遺族に訴えられてしまった。司法の判断は、何を根拠にしたのか。


宗費滞納などで僧籍剥奪された元住職が寺を出ない訳

三重県の日蓮宗寺院住職は、総額1千万円もの宗費を滞納していた。これがために宗派に住職を罷免され、しかも本堂を個人名義にして巨額の借財のために抵当権をつけた科で破門されてしまった。にもかかわらず、住職一家はガンとしてお寺の明け渡しを拒否。宗派は立ち退きを求めて裁判に訴えたが、元住職は「寺は一族のものだから」と主張している。


大会場を満員にする御詠歌の秘力(1)

御詠歌の大会は大ホールが満員となる。宗内でそのような定期行事は、ほかになかなかないのではないか。各宗派の御詠歌組織を比較して、その秘力を探ろう。御詠歌に力を入れている神奈川県にある高野山真言宗のお寺の実践活動も取材した。


インドの虐げられし民と歩む日本人僧の声を聞こう

インド仏教の最高指導者、佐々井秀嶺師は、32歳で単身インドに乗り込み、何度も命の危険にさらされながら、不可触民を仏教徒にして、自由へ導いてきた。その偉大な人が44年ぶりに、日本に一時帰国した。佐々井師にインドの民衆や仏教の現状を聞いた。


本堂全焼から復興の軌跡

平成15年3月、本堂が全焼してしまった富山県の浄土真宗本願寺派寺院がある。だが、住職と門徒は一致団結。焼失から5年もたたずに見事完全復興を遂げたのだ。背景に、住職と建設委員会の並ならぬ工夫と努力、それに門徒や地元の人の手厚い支援があったという。その軌跡を詳細にリポーオしよう。


過疎地住職が特技の精進料理で自利利他の日々

精進料理が静かなブームだが、それに一役かっているのが実は30代の曹洞宗寺院住職なのだ。しかも「精進料理こそ現代人に通じる食育説法だ」と全国を講演や調理教室にと飛び回っている。何がそうさせるのか。


仏壇は売れているか?

核家族化、少子化が進む現代に、日本伝来の宗教用具「仏壇」の市場にも変化が起きている。低価格化、小型化の流れだ。耐用年数の長いものだけに、業界の悩みは深い。現状背景と、逆風への対応を取材した。


第4回「住職関心事アンケート」結果発表(パート2)

毎年恒例、住職のホンネを知る読者アンケートの結果後半を発表! 今号では「葬儀のお布施の額を聞かれたら?」「最近の葬儀で問題に思うことは?」に寄せられた回答を見よう。


新連載! いまからの仏教なんでもあり「現代仏凡不二を問う」…釈徹宗(兵庫大学教授/宗教思想家)

この時代にこそ仏教が必要なのだと住職の誰もが叫びたいのではないか。それほど人々の行いから仏教が見えなくなっているからだ。この現実に様々な実践を試みている宗教思想家・釈徹宗師の長期連載スタート!


[徹底調査]

納棺業者が刑事告発された訳と波紋

映画ですっかり有名になった「おくりびと」こと納棺師。だが、この仕事を企業化した老舗大手が行政に告発されていた。事件の余波は遺品整理業者にも及んでいるという。何が問題なのか。


一目瞭然! 寺院建築ファイル 



[寺院・住職に直言提言]

なぎら健壱 (シンガーソングライター) …「それは宗教心かもしれない」

松井今朝子 (小説家) … 「今こそ仏教に」



[ショートルポ]

大本山宝山寺で発覚した僧侶傷害の教訓/とげぬき地蔵の境内全面禁煙の賛否/宗門高校に全寮制僧侶養成コースの期待/暴力団に狙われた寺院財産不正売買の登記


 [好評連載]

 連載第3回・仏教の経済倫理 「実業に仏教はいかに生かされてきたか?」
  芹川博通
(比較思想学会会長)


 日本仏教実践思想論 「自他平等の理念がなぜ仏教なのか」
  島薗進
(東大教授・日本宗教学会会長)


 中世寺院の実像 「仏教を隔絶した天皇神事の実態」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 創価学会とは何か 「政権交替でポスト名誉会長の学会と公明党はどうする」
  島田裕巳
(宗教学者)


 つっぱり和尚の骨山日記 「カネには代えられない義理人情」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分 「お寺の台所って何によって賄われているの?」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 秘められた祈りの形講座 「天狗はなぜ人の姿になった?」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 我他彼此二仏中間 「煽られる被害者報復感情」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 色即是空の科学事始め 「地球一個分の生き方を!」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 医心仏心 「うつ病を知るための自己診断」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 仏心エコロジー説法 「高速道料金割引の報い」
  岡田真美子
(兵庫県立大学環境人間学部教授・日蓮宗寺院住職夫人)


 住職のための今月のことば 「下取りセール」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 60億人の宗教トレンド 「米兵増派のパキスタンで」
  荒木重雄
(アジア社会研究者)


 法 律 相 談 …平松和也 (弁護士) ・ 山田勝利 (弁護士)

 税 金 相 談 …実藤秀志 (公認会計士・税理士)



[法話特集] 別冊付録

 お説教のタネ本 「後悔せず死ねるために人はどう生きるべきか」


 在俗の説法者 第84回 「キャンプファイヤー」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職)


 伝承説話の智慧 第88回 「そこつの人生」
  亀井鑛
(真宗大谷派「同朋新聞」前編集委員・NHK「こころの時代」司会者)


 親と子の相談説法 第22回 「やっと入れた中学なのにやめるという娘の心」
  富田富士也
(教育・心理カウンセラー)


 仏教儀礼入門 第87回 「中国仏教のはじまり」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第75回 「道教が説く死者」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第128回
  壽山良知
(高野山真言宗住職)


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